他の新興国同様、ラテンアメリカ諸国の経済成長は今後有望視されており、経済成長が紙・板紙市場にも反映され一人当たりの紙・板紙消費量(平均50kg以下)は依然増加する余地がある。米国―200kg以上、西欧―180kg、中国―70kg。今後2011年―2013年の紙・板紙需要は年平均4%伸び2013年末には需要量は3000万㌧を凌駕する見込み。但し、主要品目の段原紙や印刷用紙では生産量増加と需要増の歩調が合っていない。紙器用板紙と非塗工紙の大型プロジェクト以外、過去10年以上ラテンアメリカの紙・板紙能力増は主として小型機械や機械改造等の生産効率向上に限定されてきた。2013年の生産量合計は2350万㌧と予想され、需要量に対し650万㌧少ない計算。ブラジルで2013年稼動予定の段原紙増設が発表されたが、これは南アメリカの需要の改善となるものの、中央アメリカの需要は米国がカバーする模様。印刷用紙に関し今後2-3年増産計画が全くない状態。投資向け資金は利益率の高い市販パルプに向けられ、ラテンアメリカでは単に数量が増加する事が最新鋭機を設置する十分な理由とはなりえない。紙・板紙輸入量は2010年の680万㌧から2013年710万㌧に増加すると見込まれ、品目によっては依然輸入に依存する。但し、為替レートの変更で輸入紙が割高となる危険性や最近の保護主義(コート紙)の台頭はラテンアメリカでの増設投資に拍車が掛る要因となりえる。 Pulp & Paper International August 2011 から抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ