2012年末の北米中質コート紙市場は需給がタイトで、操業率100%、在庫は低水準、価格は上昇傾向にあった。しかし、この状況は2013年に多くの要因から変化すると見られる。主な要因は①最終需要の減退、②ユーザー側の使用品種のシフト、③欧州側の生産過剰とユーロ安、④コスト上昇。①RISIの予想では雑誌印刷用途の急減で2013年に需要が6%以上下降する。②SC生産能力が新たに40万㌧加わり、SCは価格競争優位性によりLWC需要を奪う。③欧州市場は軟化、生産過剰の状態でユーロが現状より更に安くなると欧州メーカーの北米向け輸出が加速される。既に北米市場の中質コート紙価格は欧州メーカーには魅力的で、1ユーロが1.2㌦かそれ以下まで下落すると北米向け輸出量は確実に増加する。④操業率は2012年後半の100%から2013年前半は91%に低下が見込まれる。原料(パルプ)コストは上昇が見込まれ、2012年第4半期から2013年第4四半期にかけ㌧当たり25㌦上昇する模様。これは価格水準の更なる下落に歯止めとなるが、メーカーによっては限界利益の増加目的で年末にかけ生産停止するところもありうる。
1月17日付け RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ