台湾の栄成紙業は中国本土での再生段原紙拡大計画に関連し、中国の段ボール及び製箱事業を実施する子会社、栄成紙業(香港)HDの持ち株引き上げを検討している。実際には現行の合弁相手の丸紅や投資家EAGLE TRADEの持ち株を取得することになるが、台湾政府の認可が必要で、費用的には3100万㌦掛かり、持ち株比率は84.47%から94.68%に上昇する。資金調達の為香港株式市場の上場も意図している。栄成紙業は生産拠点を過去20年間に台湾から中国本土に移行しており、既に段原紙事業は中国が断然大きく成長している。中国2ケ所の工場(江蘇省無錫、浙江省平湖)の再生段原紙生産量は合計110万㌧で台湾の唯一の工場は40万㌧の生産量に留まっている。段ボール箱の生産量は中国工場4ケ所で3.4億平米に対し、台湾工場5ケ所で3.6億平米。中国本土の増産計画も順調に推移しており、6月に無錫工場で再生ライナー3号機25万㌧が稼働、商業生産は8月の予定。更に8月に1号機の改造が終わり白ジュートライナー10万㌧が生産可能となる。無錫工場の1号機と3号機が稼働すると、同社の再生段原紙生産量比率は中芯:60%から45%、ライナー:40%から55%となる。平湖工場には現在機械2台で再生段原紙計65万㌧の能力があるが、これを倍増し130万㌧にする予定で既に政府に対し環境評価を提出済。無錫工場及び平湖工場は共に中国東部に位置し、地元で支配的なメーカーの役割を果たしている。
7月17日付け RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ