日本製紙グループは3月20日、熊本県にある日本製紙の豊野社有林を活用した第４回「豊野　森と紙のなかよし学校」を開催した。
　「森と紙のなかよし学校」は、日本製紙グループが「地域社会および環境への貢献の取り組み」の一環として、約９万haの社有林を活用して行っている自然環境教室。06年に群馬県の菅沼社有林でスタートし、毎年６月と９月に実施している。また07年からはその活動の輪を九州にも広げ、豊野社有林で毎年３月に開催するようになった。プログラムは、一般の人に“森と紙”に親しんでもらうことを目指し、グループ社員がその知識や経験を生かして考案。「紙は木を原料としていること、紙づくりには水や薬品が必要であることなどを知り、環境への意識を高めるとともに、紙の原料となる木を増やす取り組み、紙のリサイクルなどについても理解が深まる内容」となっている。
　今年の「豊野　森と紙のなかよし学校」には、熊本県八代市内の五つの小学校から公募で集まった小学生以上の子どもとその保護者、40人が参加。林内ウォーキングでは、林内の植生や森の役割などを学習した後、ガイド役の社員による解説を聞きながら約１時間半の散策を楽しみ、桜の木の記念植樹を行った。また紙漉き体験では、八代工場で実際に製造しているパルプを使ってオリジナルはがきを作成。工場見学では、チップや古紙からパルプへ、パルプから紙へと変化する、紙作りのダイナミックな製造現場を見学した。
　日本製紙グループは6月5日から１泊２日で、群馬県・菅沼社有林において第9回目となる「丸沼高原森と紙のなかよし学校」を開催する予定。また、2010年度中に東北地方でも展開する計画で、現在詳細を検討している。

株式会社　紙業タイムス社　「Future　4/5号」より