世界23ヵ国で事業を展開するドイツの特殊化学品メーカー、ランクセスはこのほど、ブラジルのポルト・フェリース拠点で、バガスを燃料とする新発電所の稼働を開始した。これにより、同拠点における酸化鉄顔料「バイフェロックス」の製造効率化と環境配慮の取り組みを促進する。プロジェクト投資額は約800万ユーロ。
新発電所は、サトウキビから砂糖を製造する過程で排出される搾りカスのバガスを、燃料として使用。発電所のCO2排出量は、サトウキビが光合成で吸収したCO2と実質同量なので、完全なカーボンニュートラルになる計算だ。これにより、ポルト・フェリース拠点のCO2年間排出量は、02年比で約4万4,000tの削減となる。
また、同拠点があるサンパウロ地域は、ブラジル有数のサトウキビ産地であり、バガスの調達が容易という地の利を活かしたプロジェクトでもある。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 4/19号」より