三菱製紙は福島県西郷村で、社有林を活用した体験型環境学習教室「エコシステムアカデミー」を開設する。“森のめぐみを核とした自然・産業のコラボレーション”をコンセプトに、環境学習の場を提供し、FSC森林認証林の拡大を図るのが狙い。
　エコシステムアカデミーの学習テーマは“森をめぐる循環”。森の観察からスタートし、木を使ったものづくりを体験しながら、炭素の循環を通じた「森が地球温暖化防止に果たす役割」、生き物の循環を通じて「森と生物多様性の保全」について学ぶ。内容は、○森林管理の体験（間伐、植林、散策）　○林産加工の体験（製材、木工、炭焼き）　○紙製造の体験（パルプ化、抄紙、印刷）　○ビジターセンターの活用（宿泊、研修、展示）　○施設の見学（チップ化、古紙回収、製紙、印刷）などを計画している。
　同社ではアカデミー開設に当たり、「紙は木材という“森のめぐみ”の上に成り立つ。紙だけでなく、さまざまな産業が自然と共存するには、森のエコシステム（生態系）を理解し、それを守りながら木材を利用することが大切」と、その趣旨を語っている。
　なおアカデミー開設に先立ち、５月27日、「エコシステムアカデミー」ビジターセンターで開所式を執り行う。式には、西郷村村長の佐藤正博氏、西郷村教育委員会教育長の加藤征男氏、三菱製紙・鈴木邦夫社長などが出席する。日本森林管理協議会代表で東京大学名誉教授の太田猛彦氏による記念講演や、社有林視察なども行われる。

株式会社　紙業タイムス社　「Future　5/17号」より