日本製紙連合会がまとめた需給速報によると、6月の紙・板紙国内出荷は前年同月比+2.2%の221.1万tとなった。内訳は紙が+0.7%の128.0万t、板紙が+4.3%の93.1万t。紙はほとんど横バイだが2ヵ月ぶり、板紙は8ヵ月連続のプラス。量的には引き続き低調(前々年同月比で見れば紙・板紙▲13.3%、紙▲14.6%、板紙▲5.1%)だが、回復のテンポは板紙を中心にやや持ち直した形だ。
紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比+48.7%の10.2万t。うち紙は+47.6%の9.3万t、板紙は+62.1%の0.9万t。紙は東アジアやオーストラリア向けを中心に10ヵ月連続、板紙は東南アジア向けを中心に8ヵ月連続のプラスである。紙は4ヵ月ぶりに10万tの大台を割り込んだものの、依然として高水準を維持している。
紙・板紙の在庫は前月比▲5.9万t。うち紙は▲6.2万t、板紙は+0.3万t。紙の減少は4ヵ月ぶりで、板紙は3ヵ月連続の増加である。
主要品種別の動向は次の通り。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は前年同月比▲1.6%の71.5万t。塗工紙を中心に3ヵ月連続のマイナスで、前々年同月比では▲21.2%となる。他方、輸出は+89.5%の8.2万t。伸び率は鈍化したものの、塗工紙を中心に11ヵ月連続のプラスを記録した。
〔板紙・包装用紙〕包装用紙の国内出荷は前年同月比+10.9%の7.1万t、伸び率は鈍化も、前月までと同様に製粉、化学、合成樹脂向けの回復などがあり、主要品種の中で唯一2桁の伸びを継続。段ボール原紙、白板紙も回復基調を維持(段ボール原紙が+4.1%の73.7万t、白板紙が+3.2%の12.6万t)している。前々年同月比では依然マイナス(包装用紙▲7.9%、段ボール原紙▲4.4%、白板紙▲4.7%)だが、落ち幅は縮小した。
〔衛生用紙〕国内出荷は前年同月比▲1.9%の14.3万t、価格修正による買い控えの影響などもあり、前月に続き印刷・情報用紙を上回る落ち込み。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 8/9号」より