中越パルプ工業は、国産の間伐材を原料に使った印刷用紙『里山物語』の製品価格に、里山保全のための寄付金を付加して販売し、その寄付金の運用をNPO法人の里山保全再生ネットワーク(=里保ネット)に任せているが、このほどその寄付金を使った物資支援第1号として、子どものホスピス「海の見える森」にピザ窯を贈呈した。
「海の見える森」は、神奈川県大磯町で開園準備が進められているホスピス。かつての土地所有者(故人)の「大磯の森を壊すことなく、最先端医療では救われない人のために」との意向のもと、2012年の完成を目指して準備が進められており、完成すれば子どもの患者を対象とした日本初のホスピスとなる。敷地の大半は大磯丘陵の一画を成す里山林で、計画では動植物の生態調査を行い、保護・育成を前提として利用されることになっている。里保ネットは今後、この里山林の保全・整備に協力していく予定。里保ネットは、「海の見える森」への支援を決めた理由を次のように説明している。
①衰退が著しい里山林の新たな利用用途として注目すべき
②ホスピスの利用者を中心に、里山コミュニティが育まれる可能性が高い
③里山林の保全に携わる団体がない場所で、そのような団体を育てることも里保ネットの役割
株式会社 紙業タイムス社 「Future 9/6号」より