共同印刷は豊田通商とともに、食品向け高機能パルプモールドカップの生産技術を確立し、10月から共同事業をスタートさせた。製品は『パルモールカップ』の名称で10月5日から開催された包装総合展示会「TOKYO PACK 2010」に出展、販売を開始している。
『パルモールカップ』は、花王から新しいパルプモールドに関する技術供与を受けて容器成形技術の開発を進めていた豊田通商と、共同印刷の食品容器生産技術をコラボレーションさせ、量産化に成功した食品向けカップ。バージンパルプ素材を一体成形しており、バリア性、断熱性、成形精度に優れ、リサイクルも容易。バリア性については、高機能フィルムを内面に使うことで、酸素や水蒸気、移り香などを遮断する。また、従来容器では不可能だった高精度かつ自由な成形や凹凸加工(エンボス仕様)も可能にした。断熱性は発泡スチロール並みの断熱効果があり、また横圧縮強度が高いため、利用時に変形しにくい。一体成形によるシームレス構造のため、耐熱フィルムを組み合わせることで電子レンジにも対応する。
共同印刷は、新しい食品容器として即席麺やスープなどの食品メーカー向けに拡販を図る意向で、現在、専用設備を導入して量産体制の整備を進めている。2011年2月に本稼働の予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 11/8号」より