日本新聞協会はこのほど、2009年度「新聞事業の収支構成比率調査結果」を発表した。
　調査票を93社に送り、59社から回答を得たもので、協会会員新聞社の収入、費用の増減と構成比を調査し、新聞事業の収支動向を明らかにしている。それによると、総収入の平均は前年度比▲4.3％、総費用は同▲3.9％、当期利益は同▲9.2％となった。収支比率は99.7％で、前年度より0.1ポイント悪化している。業績好転社は昨年度から22社増えて29社となり、悪化した26社を上回った。以下、収入、費用、収益の各動向を前年度比で見ていく。
＜収入動向＞販売、広告、その他営業の各収入を合わせた売上高は、▲3.8％。内訳は販売収入▲0.8％、広告収入▲11.6％、その他営業収入▲1.1％。広告収入は2年連続の２桁減となった。
＜費用動向＞すべての項目で減少した。構成比率が大きい順に見ると、経費▲2.9％、人件費▲6.5％、用紙費▲5.5％、資材費▲11.3％、営業外費用▲8.5％。総費用に占める割合は、経費が47.3％（＋0.3ポイント増）、人件費は32.8％（▲0.7ポイント）、用紙費は14.1％（＋0.3ポイント）、資材費は2.5％（▲0.2ポイント）、営業外費用は2.0％（＋0.4ポイント）だった。
＜収益動向＞当期利益は▲9.2％。昨年度の▲43.8％から減率幅は大幅に縮小した。ただし、平均値に与える影響が大きい値を除外しているため、計算には回答55社のうち25社しか反映されていない。当期利益の変化方向別社数（対象55社）を見ると、業績が好転したのは29社。うち増益は15社、復益は12社、欠損減は２社。悪化した26社では、減益が13社、欠損転落が８社、欠損増が５社だった。