日本製紙はこのほど、ペーパースラッジや石炭などの燃焼灰を利用した雑草抑制材を開発した。土木工事現場での利用など、用途開発を進めて事業化を目指す。
日本製紙グループは廃棄物最終処分量削減のため、「廃棄物の自社製品化率25%以上」という目標を掲げている。同社で発生する廃棄物は主にボイラー燃焼灰で、これまではセメント原料や路盤材などに利用してきた。しかしボイラーの増設や古紙利用の拡大に伴って灰の発生量が増加しているため、新たな資源化の道を探る必要性が生じてきた。
その一つとして目をつけたのが、雑草抑制材だ。燃焼灰の雑草抑制効果については、宇都宮大学雑草科学研究センターの小笠原勝教授に確認してもらった。ペーパースラッジ灰などボイラー燃焼灰の造粒物は、水を吸う力が強い。このため雑草の種や根に本来供給されるはずの水を吸収、これにより雑草の繁殖を抑制する。また、日本製紙が開発した有害成分の溶出抑制技術を用いて雑草抑制材を作れば、環境にやさしい資材にもなる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 12/20号」より