日本製紙グループ本社は、東日本大震災の影響で操業を停止している日本製紙の石巻工場(宮城県石巻市)、岩沼工場(宮城県岩沼市)、勿来工場(福島県いわき市)の現況を発表した(3月31日時点)。
●従業員の安否…▽石巻工場(従業員数822名):無事817名、死亡2名、安否未確認3名▽岩沼工場(従業員数361名):無事360名、安否未確認1名▽勿来工場(従業員数210名):全員無事▽3工場の関係会社の従業員の安否情報も引き続き確認中
●石巻工場の現状…操業は全停止中。現在は、津波により工場構内に堆積した土砂や瓦礫、散乱した資材の除去を進めている。工場設備については、N6マシンほか各抄紙機の建屋1階は浸水により電気設備などが被害を受けているが、2階の抄紙機本体はほぼ無傷であることが判明、当面は各抄紙機の1階部分の整備・復旧を進める。復興までには時間がかかる見込みだが、抄紙機本体への被害がないので、「できる限り早期に生産を再開できるよう努める」としている。
●岩沼工場の現状…操業は全停止中。29日までに製品倉庫の整理を完了した。当初見込みより被害は小さく、新聞用紙は8割以上が出荷可能であることが判明し、現在は被害を受けなかった在庫製品の出荷を進めている。津波により使用できなくなっていた排水場の排水ポンプが稼働を再開した。今後はボイラーを再稼働させ、比較的被害の小さい一部抄紙機から、早期の生産再開を目指す。
●勿来工場の現状…操業は全停止中。現在、製品倉庫の整理を進めているが、被害は当初見込みより小さく、順次、被害を受けなかった在庫製品の出荷を進めている。今後はボイラーを再稼働させ、早期の生産再開を目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 4/18号」より