東京・中央区日本橋にある和紙文化の伝承・創造拠点、小津和紙2Fギャラリーでは4月4日~9日の5日間、『日本橋石橋百歳 中川さくたろうの「笑う日本橋」』と題した作品展を開催した。
作者の中川さくたろう氏は「ことば」の創作デザインで知られる、ちぎり文字アーティストで、コピーライターやエッセイストとしても活動している。NHKおしゃれ工房で紹介されたり、ユニークな作品展を通じて海外での知名度も高い。今回は三越や山本山など、日本橋界隈にある老舗の包装紙を再利用し「笑いをテーマ」に、お面に仕立てた作品を数多く展示した(写真)。
中川氏は「こんな時に展覧会なんか、と思われる方もいらっしゃると思います。しかし不安ばかりの報道とは違った、こんな時はこんな時のメッセージがあるはずです。そういった作品を見ていただく。そんなことしか私にはできないのです。自分にも言い聞かせる意味で『がんばれ日本人、がんばれ日本橋』。悲しすぎる。だから涙が涸れるまで思い切り泣きましょう。そして、その後は笑顔になって一からやり直しましょう」と呼びかけている。
なお展示会では作品の即売も行われ、売上げの半分が東日本大震災の被災地に寄付された。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 4/25号」より