大日本印刷は、植物由来の原料を一部に使用した包装材用バイオマスプラスチックフィルム『バイオマテックPET』を開発、5月から量産体制に入った。
バイオマスプラスチックは、環境負荷の低い材料として注目されながらも、耐熱性や強度、製造コストなどに課題があり、これまでは同社でも、開発はしていたものの本格導入には至らなかった。
これらの課題を解決する製品として開発されたのが、石油の代わりにサトウキビ由来の原料を使用した『バイオマテックPET』である。性能的には、従来のPETフィルムと同等の耐熱性や酸素・水蒸気バリア性、加工適性を備えており、シャンプーなどの日用品や調味料などの食品に使用される詰替用パウチ、レトルト食品などの包装材に適している。価格については、通常、バイオマスプラスチックの包装材は、従来のPETフィルムの1.5~2倍程度になるが、『バイオマテックPET』は、PETフィルム自体の製造コストを従来フィルムの1.2~1.3倍程度に抑えられ、さらに仕様を工夫することで、包装材としての価格は従来品の1.1倍以下に抑えられる。
大日本印刷は、現在提供している包装材のPETフィルムを、順次『バイオマテックPET』に切り替えていく予定で、売上高は2015年度で100億円を見込んでいる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 6/6号」より