大日本印刷は、植物由来の原料を使用した包装材用の透明蒸着バリアフィルム『バイオマテックIB-PET』を開発した。
この新バリアフィルムは、同社が開発済みの植物由来ポリエチレンフィルム『バイオマテックPE』などと貼り合わせることで、水蒸気や酸素に対する優れたバリア性を備えた包装材に加工することができ、廃棄後の焼却時に発生するCO2排出量を最大50%削減する。量産開始は今年9月。
大日本印刷では、かねて持続可能性・生物多様性に配慮した包装材の実用化を推進しており、その一環として今年5月に植物由来の原料を使用したPETフィルム『バイオマテックPET』の量産を開始、「2011日本パッケージングコンテスト」に入賞するなど高い評価を得ている。
今回は、このバイオマテックPETに水蒸気や酸素の透過を抑えるバリア機能を透明蒸着によって付与したもの。植物由来の透明蒸着バリアフィルムは国内初の開発事例であり、すでに同社は量産に向け国内外の企業へサンプル出荷を始めている。
さらに包装材の内面層に用いるポリエチレン(PE)フィルムについても、植物由来の原料を使用したバイオマテックPEを開発済みで、採用が決定している。これにより軟包装の包装材を構成する主要なプラスチックフィルムについて植物由来フィルムのラインアップが揃い、高いバリア性が求められる食品や医薬品、工業製品などの包装材への利用が可能となる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 9/12号」より