クラウン・パッケージ(本社・愛知県小牧市、佐光恵藏社長)は、一度使われた“素材”と木材パルプを混ぜて原料にした紙をパッケージ素材として商品化、『スマートパピエ』のブランドで展開している。すでに緑茶や紅花などを使ったパッケージ素材が開発されているが、ヤシカサパルプや笹の葉を使った商品開発も進み、幅を広げつつある。
スマートパピエは、一度使われた素材と木材パルプを混ぜてつくり上げた紙。素材のリサイクルで廃棄物を削減でき、木材パルプの使用量を削減することで森林資源の節約に結びつき、さらにその素材本来の美しさをパッケージ上に生かすことができる。
緑茶飲料を製造する際に排出される国産茶葉100%の茶殻を木材パルプと混ぜて開発した『ティーリミックス』は、お茶のほのかな香りが楽しめ、抗菌・消臭効果もある。同社と伊藤園との共同開発商品だ。『ベニックス』は、食用色素を抽出した後に残る紅花の花びらを木材パルプに配合した素材。紅花の自然な色合いを楽しめるように、着色・染色は一切していない。
ヤシカサパルプを配合したのが『パームヤシックス』。東南アジアに産するパームヤシの実は、パーム油を搾った後の利用方法がなかったが、これをヤシカサパルプにして木材パルプに混ぜた。新しい非木材原料であり、安定供給が可能だという。また、近く発売する『ササックスグリーン』は、笹の葉から生薬を作る時に残る繊維を木材パルプに配合したもの。紅花と同じく、笹の葉本来の色を楽しめるよう着色・染色は一切していない。
これら4商品から成る『スマートパピエ』シリーズは、いずれもエコ商品としてパッケージの新たなニーズ掘り起こしに挑戦している。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 10/10号」より