本誌10月3日号で既報のように、日本洋紙板紙卸商業組合は製紙メーカーと代理店各社に「価格修正に関する要望書」を送付した。これに対してメーカーと代理店から回答が寄せられ、日紙商ではこのほど、その内容を公表した。
日紙商は9月初旬から中旬にかけてメーカーと代理店に要望書を提出、併せて業界団体や日紙商組合員にも報告した。メーカー・代理店からの回答は、10月11日現在、三菱製紙(9月16日)、北越紀州製紙(9月29日)、三菱製紙販売(9月16日)から得ている。回答の大要は以下の通り。
○復興と併せて徹底的な合理化やコストダウンを図っているが、原燃料価格が高騰する環境下、自助努力のみで再生産可能な収益の確保は極めて困難。製品価格を改定せざるを得ない。要望書を十分に尊重し、その主旨を代理店にも周知させて取り組む所存(製紙メーカー)。
○紙パルプの原燃料であるチップ、パルプ、古紙、原油および薬品などの価格は高騰を続けており、もはや自助努力だけでは対応できない。要望を真摯に受け止め、健全で透明性かつ公平性のある価格体系の実現に取り組む(製紙メーカー)。
○原燃料価格は高止まりの深刻な状況が継続し、特に被災メーカーの収益状況は厳しい。価格修正せざるを得ないと判断。価格修正については要望書の指摘通りで、これを十分尊重し、ユーザーの理解を得ながら進めていく(代理店)。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 11/7号」より