特種東海製紙は、リチウムイオン二次電池向けに、安価で耐熱性に優れた電池セパレータ(絶縁体)を開発した。主にハイブリッド車や電気自動車に搭載される二次電池用のセパレータとして、2012年度末を目途に生産開始する予定。
リチウムイオン二次電池のセパレータには、主に樹脂性フィルムが使用されるが、樹脂性フィルムの場合、電池の破裂や発火を引き起こす熱暴走が発生した際の安全性(耐熱性)が問題視されていた。また、セパレータのコスト高も大きな課題となっている。
そこで同社は、セルロースを材料とした微多孔膜を開発して耐熱性と低コストを実現、さらに特殊な技術を付与することで、二次電池向けセパレータとしての基本性能を備えさせた。
リチウムイオン二次電池は、携帯電話やノートパソコンの電池として普及している。また、化石燃料の枯渇やCO2削減といった環境問題に対応できるエネルギー源としても期待されており、ハイブリッド車や電気自動車の駆動用として検討する企業も多い。自動車の駆動用には高い耐熱性が求められるため、同社が開発した電池セパレータのニーズは多いと見込まれる。
特種東海製紙では、「引き続きリチウムイオン二次電池向けセパレータの開発に注力し、基本性能の向上と実用化を目指す」と述べている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 11/14号」より