中越パルプ工業の『竹紙(たけがみ)』が、エコプロダクツ大賞推進協議会主催の第8回エコプロダクツ大賞(エコプロダクツ部門)で、大賞に当たる「農林水産大臣賞」を受賞した。
同社は、日本の竹のみを原料とする紙をマスプロ製品として取り扱う唯一の総合製紙会社。竹は、かつては家屋や工芸品などにも多く使われ、日本人の食と文化に密着していたが、近年は竹の需要が激減し、竹林を管理する担い手が少なくなっている。その結果、放置された竹林が隣接する森林を侵食して荒廃させる問題が全国的に広がってきた。
全国有数の竹林面積を誇る鹿児島県に川内工場を持つ同社では、98年から国産竹を製紙原料とする取組みを続けている。原竹の伐採や運搬、原料チップの加工など、竹は木材に比べ効率が悪くコスト面で不利だったが、自治体や地域住民、チップ工場などの協力を得ながら独自の集荷体制を構築、竹パルプ10%配合の製品を開発し、封筒や箸袋、コップ原紙といった用途で販売してきた。そしてその後も工場設備を増強し、09年からは国産竹100%の紙を販売、環境イベントのパンフレットやカレンダー、名刺やノートなどに採用されている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 12/12号」より