国際紙パルプ商事(=KPP)は、香港で上場している森信紙業集團有限公司(=サムスン社)の子会社であるMission Sky Group Ltd.(=ミッションスカイ社)株式の22.3%を取得し、持分法適用関連会社とする。
サムスン社は、東アジアを中心に事業展開する香港唯一の上場紙商。KPPとは30年以上の取引があり、事業パートナーとしての関係も深い。2008年には古紙販売会社を、10年には中国内での洋紙販売強化に向けて慶真紙業貿易(上海)有限公司を、それぞれ合弁で設立している。またサムスン社は、08年に中国山東省で段ボール原紙工場の遠通紙業(山東)有限公司(=UPP-SD社)を買収し、製紙業にも進出している。今回KPPが株式を取得するミッションスカイ社は、このUPP-SD社の持株会社。
内需の大きな回復を見込めない中、今後はさらに海外事業の強化が重要であり、UPP-SD社の株式取得もその一環。また板紙を中心に需要増が見込まれる中国で、すでに稼働中の板紙メーカーに投資することにより、スピーディに業容拡大を図る狙いもある。UPP-SD社製品の中国国内での販売、工場への原料古紙の納入、製品の輸出代理店など、板紙関連の取引拡大を見込んでいる。
<サムスン社の概要>
〔事業〕紙の製造・販売
〔資本金〕1億2,731万5,000香港㌦
〔設立〕1965年
〔所有者〕Quinselle Holdings Ltd.(60.34%)
〔売上高〕46億7,689万9,000香港㌦(11年3月期)
<UPP-SD社の概要>
〔事業〕段ボール原紙の製造・販売
〔資本金〕4,111万1,000㌦
〔設立〕2008年
〔所有者〕UPP Investments Ltd.(90%)
〔売上高〕6億13万7,000人民元(11年3月期)
株式会社 紙業タイムス社 「Future 2/27号」より