王子製紙は5月31日まで、本社1階のOJI PAPER LIBRARYで第22回企画展を開催している。テーマは前回企画展(11年12月5日~12年3月1日)に続き「Field」で、メーカーとユーザーがダイレクトに交流できる場所=フィールドという位置づけ。
話題の一つは、広島平和記念公園の原爆の子の像に捧げられている折り鶴を再生し、ノートに生まれ返らせて小学生にプレゼントしたエピソード。原爆の犠牲となった子どもの霊を慰めるこの像には、毎年国内外から約千万羽の折り鶴が捧げられるが、倉庫にはこれまでの折り鶴90t以上が積まれていた。
毎年増えていく折り鶴の処理方法について昨年公募が行われ、中国地区製紙原料直納商工組合が提案した「折り鶴を古紙として活用、平和とリサイクルの再生紙としてノートにして子どもたちに贈る」という案が採用された。昨年12月に広島市楠那小学校の体育館で児童の協力により、約100万羽=約1tの折り鶴から糸やビーズを取り除く分別が行われた。
そして、一役買った王子特殊紙がファンシーペーパーの混抄技術を応用し、折り鶴パルプ10%配合の『おりづるノート』9万冊を製造。広島県内の約500校の小学校に贈った。コーナーにはそのノートや、像に捧げられた折り鶴が展示されている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 3/26号」より