日本製紙連合会が集計した3月の紙・板紙国内出荷は前年同月比1.9%増の225.8万tで、前年8月以来7ヵ月ぶりのプラスとなった。うち、紙は2.9%増の131.1万tと7ヵ月ぶり、板紙は0.5%増の94.7万tと2ヵ月連続で、それぞれ前年実績を上回っている。主要品種では包装用紙、衛生用紙を除き増加した。
紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比38.7%減の5.7万tで、こちらは19ヵ月連続の減少。震災以降、紙を中心に国内向けの優先や円高の為替事情により大幅な減少が継続しているものの、落ち幅は縮小傾向にある。
紙・板紙の生産は前年同月比2.8%増の231.5万tで、うち紙が3.3%増の136.3万t、板紙が2.1%増の95.2万tだった。
紙・板紙の在庫は前月比1,200t減の200.9万tと4ヵ月ぶりに減少した。うち、紙は同+2,300tの141.3万tと6ヵ月連続で増加したが、板紙は同▲3,500tの59.6万tと2ヵ月連続の減少となった。なお震災などに伴う滅失分(期末処理)は1,000tに上り、累計では7万t(紙6.3万t、板紙0.7万t)に達している。
主要品種の動向は次の通り。
〔新聞用紙〕国内出荷は前年同月比12.5%増の30.0万t。昨年3月の震災の反動増から大幅な伸びとなり、ほぼ2年前の水準まで回復している(2010年比1.5%減)。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は前年同月比3.4%増の71.7万tと、同じく震災の反動増により7ヵ月ぶりの増加となったが、輸入の大幅な増加が影響し前々年同月の水準には届いていない(2010年比9.6%減)。輸出は45.5%減の4.0万tと量的には回復傾向も、主力の塗工紙を中心に18ヵ月連続の減少である。
〔包装用紙〕国内出荷は前年同月比5.3%減の7.1万t。特に晒包装紙の不振(11.8%減)が影響し、6ヵ月連続のマイナスだった。
〔衛生用紙〕国内出荷は前年同月比9.9%減の16.0万t。昨年3月の震災特需の反動からマイナス幅が大きくなった。
〔段ボール原紙〕国内出荷は前年同月比1.3%増の75.6万t。伸び率は鈍化したが2ヵ月連続の増加。
〔白板紙〕国内出荷は0.4%増の12.6万tと、ほとんど横ばいも5ヵ月ぶりに増加した。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/14号」より