レンゴーと日本マタイはこのほど、放射線を遮蔽し線量を軽減する『放射線遮蔽シート』を共同開発した(特許出願済)。
放射線の遮蔽には従来、固く重い金属板が使用されてきたが、両社が開発した『放射線遮蔽シート』は、熱可塑性エラストマーを素材とし、軽量かつ柔軟性に富んだ遮蔽材。外部からの放射線を低減したい部屋用の遮蔽材や、除染時に発生する汚染廃棄物の仮置場での保管用カバーシートなどで使用できる。
レンゴーグループの重包装部門を担う日本マタイは、産業向け袋包装のパイオニアとして知られ、特にフレキシブルコンテナバッグの分野では国内最大手。海外でも評価は高く、同社の『MAICON(マイコン)』ブランドは世界の標準となっている。
『放射線遮蔽シート』は、放射線に関する知見があるレンゴー中央研究所と、重量物向け包装や樹脂加工の技術を持つ日本マタイ研究所のコラボレーションにより開発された。高い空間放射線量を示す地域で実証テストを重ね、特許が出願されている。シートの厚さは1~2mmで、幅は500~2,000mm、用途に合わせて大きさを変えて使用でき、枚数を重ねて放射線の遮蔽率を高めることも可能。レンゴーでは、壁材や床材などの建材ほか、カーテンやカーペットなどの内装材、除染時の仮置場での保管用カバーシート、除去草木や側溝のカバーシートなどの用途に期待を寄せている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/21号」より