前号に続き、今回は紙加工・紙関連企業の12年3月期決算を紹介する（連結ベース。単位：100万円、カッコ内は前年度比）。
●トーモク
〔12年3月期業績〕　
　売上高 138,845 （＋1.8％）
　営業益 6,853 （▲2.9％）
　経常益 7,118 （＋4.6％）
　当期益 3,900 （＋22.1％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 150,000 （＋8.0％）
　営業益 8,000 （＋16.7％）
　経常益 7,900 （＋11.0％）
　当期益 4,100 （＋5.1％）
　段ボール需要は、1Qはユーザーの前倒し生産などにより堅調だったが通期では前年並みとなった。原紙価格引き上げを受けて、再生産可能な価格体系の維持に努めたが、損益的には一時的な負担増を避けられなかった。
●フジシールインターナショナル
〔12年3月期業績〕　
　売上高 88,373 （＋1.5％）
　営業益 7,528 （▲3.4％）
　経常益 7,773 （＋0.2％）
　当期益 4,365 （▲3.0％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 94,000 （＋6.4％）
　営業益 7,560 （＋0.4％）
　経常益 7,880 （＋1.4％）
　当期益 4,730 （＋8.4％）
　国内事業は売上高、営業利益ともに前年度比微増となったが、北中米は売上高、営業利益ともに微減。欧州は、売上高ではほぼ前年並みを維持したが、営業利益は前年度比▲34.5％の大幅減。なおアセアン諸国への事業展開に伴い、12年3月期からセグメント別報告に「アセアン」を加えた。
●ナカバヤシ
〔12年3月期業績〕　
　売上高 47,450 （＋0.6％）
　営業益 1,105 （＋38.2％）
　経常益 1,281 （＋19.4％）
　当期益 763 （＋82.7％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 48,800 （＋2.8％）
　営業益 1,450 （＋31.2％）
　経常益 1,650 （＋28.8％）
　当期益 800 （＋4.7％）
　人件費やリース料などの減少によって販売費と一般管理費の圧縮が進み、大幅増益となった。最終利益の増益幅が大きいのは、連結子会社の清算結了で法人税などの税負担が軽減されたことも影響している。
●スーパーバッグ
〔12年3月期業績〕　
　売上高 33,596 （＋0.8％）
　営業益 130 （▲72.8％）
　経常益 141 （▲68.6％）
　当期益 21 （▲91.3％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 34,500 （＋2.7％）
　営業益 550 （＋323.1％）
　経常益 500 （＋254.6％）
　当期益 280 （ － ）
　紙製品事業は、売上高は前年度比微減にとどまったものの、営業利益は粗利の減少を経費削減で補えず、また原料価格の上昇が製品価格修正に先行し大幅減益。化成品事業も、売上高は前年を上回ったが営業利益は大幅減益。
●昭和パックス
〔12年3月期業績〕　
　売上高 18,928 （▲2.7％）
　営業益 778 （▲23.3％）
　経常益 892 （▲19.5％）
　当期益 484 （▲22.1％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 19,500 （＋3.0％）
　営業益 860 （＋10.5％）
　経常益 920 （＋3.1％）
　当期益 595 （＋22.9％）
　フィルム製品とコンテナーは増収だったが、主力の重包装袋の減収が響き、全体の売上高も前年度を下回った。損益面は、売上減に加え、設備増強による減価償却費の増加、原材料の値上がりもあって減益となった。
●野崎印刷紙業
〔12年3月期業績〕　
　売上高 17,179 （▲2.6％）
　営業益 56 （▲78.1％）
　経常益 56 （▲78.0％）
　当期益 267 （＋168.7％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 17,400 （＋1.2％）
　営業益 200 （＋254.0％）
　経常益 200 （＋254.6％）
　当期益 202 （▲24.6％）
　市場の縮小傾向で売上高が減少、また原材料価格の上昇などによるコスト増加分を吸収できず、営業利益、経常利益ともに低調な結果。当期純利益には、固定資産の売却益などが反映されている。
●大石産業
〔12年3月期業績〕　
　売上高 16,886 （＋0.1％）
　営業益 612 （▲13.0％）
　経常益 846 （▲8.1％）
　当期益 414 （▲26.3％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 17,500 （＋3.6％）
　営業益 680 （＋11.0％）
　経常益 900 （＋6.3％）
　当期益 450 （＋8.7％）
　パルプモウルド、段ボールなどの緩衝機能材事業は、売上高が前年度比＋1.1％だったのに対し、営業利益は同▲0.7%。樹脂、紙袋などの包装機能材事業も、売上高の同＋1.2％に対し営業利益は同▲1.6％と、いずれも増収減益。
●古林紙工
〔12年3月期業績〕　
　売上高 15,185 （▲1.9％）
　営業益 241 （▲45.9％）
　経常益 128 （▲57.0％）
　当期益 1 （▲98.9％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 15,000 （▲1.2％）
　営業益 300 （＋24.4％）
　経常益 180 （＋40.6％）
　当期益 100 （ － ）
　13年3月期見通しについては、受注環境が厳しい中でも利益が確保できるよう、品質向上、改善活動に注力し、経営体質の強化に努めるとしている。
●中央紙器工業
〔12年3月期業績〕　
　売上高 12,864 （▲1.7％）
　営業益 1,420 （▲7.0％）
　経常益 1,469 （▲6.2％）
　当期益 830 （▲4.7％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 13,000 （＋1.1％）
　営業益 1,250 （▲12.0％）
　経常益 1,280 （▲12.9％）
　当期益 760 （▲8.5％）
　段ボールは震災やタイの洪水などにより前年度を下回る状況。中国市場も経済成長に鈍化傾向が見られ、現地メーカーとの価格競争も熾烈化、厳しさが増している。
●セキ
〔12年3月期業績〕　
　売上高 12,562 （▲5.6％）
　営業益 553 （＋38.7％）
　経常益 664 （＋57.2％）
　当期益 360 （＋57.7％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 12,816 （＋2.0％）
　営業益 584 （＋5.4％）
　経常益 726 （＋9.2％）
　当期益 408 （＋13.2％）
　主力の印刷事業は、短納期化や低価格化に伴う競争激化で売上高が前年度をわずかに下回ったが、営業利益は生産体制合理化とコスト削減で大幅増。紙・板紙販売も売上高は約3割減の大幅減収だったが営業利益は前年度を上回った。
●ニッポン高度紙工業
〔12年3月期業績〕　
　売上高 12,243 （▲16.6％）
　営業益 692 （▲69.3％）
　経常益 693 （▲69.7％）
　当期益 317 （▲77.3％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 12,870 （＋5.1％）
　営業益 720 （＋4.0％）
　経常益 750 （＋8.2％）
　当期益 470 （＋47.9％）
　全売上の9割以上を占めるセパレータ事業が、上期は好調だったものの下期はその反動と欧州信用不安などにより大幅な受注減に陥った。これを受けて経費削減、設備投資抑制、原材料在庫圧縮などの合理化を図ったが、利益も大幅減益となった。
●ハビックス
〔12年3月期業績〕　
　売上高 8,310 （▲0.4％）
　営業益 444 （▲21.1％）
　経常益 444 （▲20.4％）
　当期益 233 （▲22.9％）
〔13年3月期予想〕　
　売上高 8,803 （＋5.9％）
　営業益 635 （＋43.0％）
　経常益 611 （＋37.3％）
　当期益 349 （＋49.7％）
　不織布関連は新規OEMの開拓や新規製品の展開により増収となったが、紙関連事業の衛生用紙は震災の影響や円高による海外向けの不振で減収となった。

株式会社　紙業タイムス社　「Ｆｕｔｕｒｅ６／４号」より