日本ガス機器検査協会(=JIA)は6月1日付で、「緑の循環認証会議」(=SGEC)から認証機関としての認定を受け、FM認証(森林の管理状態の認証)とCoC認証(木材の生産、加工、流通過程における管理状態の認証)の両方を審査できるようになった。
JIAは国内初のPEFC-CoC認証機関であり、現在もIAFが認定するPEFCの認証機関は国内ではJIAだけ。今回、SGECから認定を受けたことにより、JIAはPEFC、FSC、SGECのすべての森林認証制度でCoC審査を実施できる唯一の機関となった。3制度の審査を同時に行うことも可能で、森林認証サービスはJIA-QAセンターで行っている。
日本で利用できる森林認証制度は現在、PEFC、FSC、SGECの三つ。いずれもFM認証とCoC認証がある。認証システムでは共通点も多いが、制度間で理念などの違いがあり、制度の一本化は難しい。このうちPEFCは、各国の森林認証制度を相互認証している国際的な森林認証で、SGECは将来的にPEFCと相互認証を図る可能性もある。
SGEC認証は、世界的に推進されている森林経営の考え方をもとに、日本の実状に合わせて作られた国内向けの森林認証制度。2003年に発足した「緑の循環」認証会議(SGEC:Sustainable Green Ecosystem Council)が規格を発行し、運営している。目指すところは、日本の森林整備水準の向上と林業の活性化、山林荒廃や生態系破壊の防止、そして持続可能な森林づくり。SGEC認証にはSGEC-FMとSGEC-CoCがあり、第三者審査機関による審査を義務づけている。
SGEC-FMでは、世界的に推奨されている森林管理の考え方をもとに、「生物多様性の保全」や「持続的森林経営のための法的、制度的枠組み」など、7つの独自基準を定めている。認証を受けた森林は約89万haで、全国的に認証森林面積が増加しているが、特に北海道や九州地区における認証取得の動きが活発化している。
SGEC-CoCとは、メーカーや商社などの加工、流通上の企業の木材管理状態が、SGECの定める流通過程の基準に適合している場合に受けられる認証で、現在は約380社が認証を取得している。
なお、JIAが実施している審査サービスは以下の通り(○=実施している。×=実施していない)。
認証 CoC FM
PEFC ○ ×
FSC ○ ×
SGEC ○ ○
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/11号」より