王子特殊紙は、フィッシュアイ（さかなの目）と呼ばれる微小欠陥を大幅に低減した二軸延伸PP（ポリプロピレン）フィルム『アルファンFG－201』を発売した。
　二軸延伸PPフィルムは、樹脂を熱で溶かし延ばして製造するが、原材料中に混入した数十μm（マイクロメートル。1㎜の1,000分の1）程度の微小異物、未溶融物が起点となり、フィッシュアイと呼ばれる欠陥が発生する場合がある。PPフィルムは適度な離型性を有し、シリコーン塗工などを施さなくても離型材料として使用できるが、フィッシュアイによりフィルム表面に微小な凹凸が生じ、液晶部材や半導体の製造工程で使用される機能性樹脂の保護フィルムとして使用した場合には、樹脂に微小な傷をつけたり均一性を損なう場合があった。
　王子特殊紙は、微小異物低減のスクリーニング技術を進化させ、さらに原材料樹脂の純度向上、工程クリーン化の強化を図り、フィッシュアイを一般的なPPフィルム比でおよそ99％削減（同社比）することに成功。今回のフィッシュアイレス ハイグレード PPフィルム『アルファンFG－201』として商品化したもの。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Ｆｕｔｕｒｅ7/16号」より