日本印刷産業連合会（足立直樹会長）は9月12日、東京都内で「9月印刷の月記念式典・懇親会」を開催。当日は傘下10団体に所属する会員企業のリーダー30名を印刷功労賞などで表彰、また17工場を第11回印刷産業環境優良工場で表彰した。式典会場には600名余が参加し、表彰者の受賞を祝った。
　足立会長は記念式典の挨拶の中で、化学物質による健康障害の問題について次のように触れた。　　「労働衛生面における法令への対応が、業界として不十分だった。真摯に反省し、業界挙げて体制を整備していきたい。日印産連として7月に労働衛生協議会を立ち上げて以降、全国7ヵ所でセミナーを開催してきた。
　9月4日の第2回労働衛生協議会では①労働衛生関連法令の理解を深め、遵法措置の徹底を図る　②オフセット印刷事業場では、より有害性の低い洗浄剤への切り替えを積極的に行う　③従業員の健康を守るため、健康障害防止対策を継続して実施するの3項目を健康障害防止対策基本方針として決定した。その進捗状況について本年度中に調査を実施する。取引先や従業員とその家族、地域の皆様に1日も早く安心していただけるよう諸施策を進めていく。本日来場の皆様も先頭に立って推進してほしい」
　このあと来賓12名を代表して、経産省商務情報政策局・永塚誠一局長が次のように挨拶した。
　「多くの事業所で労働関係法令の遵守が徹底されていない事態は、印刷業が果たしている役割から見れば早急に改善されるべきである。労働衛生協議会では全国7ヵ所での説明会に続き、健康障害防止対策基本方針を発表された。これに従って問題解決に向け、業界一丸となって速やかに取り組み信頼回復に努めてほしい」
　続いて発表された『2012年9月印刷の月アピール』の中でも、全力で信頼回復を図っていくことが謳われ、満場一致で採択された。なお当日は記念式典に先立ち、朝日新聞社政治担当編集委員・星浩氏による記念講演『日本の政治のゆくえ』が行われ、また式典後には会場を移して懇親会が開かれ定刻すぎまで歓談が続いた。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Ｆｕｔｕｒｅ10/8号」より