レンゴーはこのほど、蛍光剤を使わず環境に優しい裏白チップボール『シラギクZERO』を発売した。
　チップボールは古紙が主原料の厚紙で、特に裏面を白色加工した裏白チップボールは、菓子などの貼り箱の素材として広く用いられる。新製品の『シラギクZERO』は、環境ホルモンの一種として発がん性の疑いが持たれる蛍光染料（蛍光増白剤）を一切使用せず、安心・安全な製品となっている。
　また、レンゴーの裏白チップボールの従来品『シラギクS』の改良版として、裏白面に使用する原料を見直して配合比率を変更、白色度と強度を格段に向上させた。白色度は、『シラギクS』の77.0に対し、『シラギクZERO』は83.0以上。白色度が向上しているので、原紙白面とのコントラスト効果により商品性を一層際立たせ、販売時の訴求力アップが期待できる。
　強度についても、『シラギクS』と比較し、破裂強さ120％、圧縮強さ105％、剛度（タテ）110％、剛度（ヨコ）115％。ワックスピック試験法による表面強さは8A以上となっている。生産は八潮工場 3号抄紙機。

抗菌ワイパークロス
『フルガードクロスPro』
　また、レンゴーは原田産業と共同で、「セルガイア」を用いた業務用キッチンワイパークロス『フルガードクロスPro』を開発、このほど販売を開始した。
　レンゴーが開発した「セルガイア」は、ゼオライトをセルロース繊維内部で高密度に結晶化させたパルプ。ゼオライトは、銅イオンや銀イオンなどの金属を担持させることで高い脱臭、抗菌作用を発揮する。このため制汗スプレーやボディワイパー、防カビ剤などに配合されている。
　「セルガイア」は、ゼオライト保持のためにバインダーを使用せず、含有率も自在に調整できる点が特徴で、使用による脱落もない。ゼオライトの特性を最大限に活かし、高い脱臭、抗菌効果を発揮する高機能素材として、さまざまな用途で採用されている。
　『フルガードクロスPro』は、そのセルガイアをスパンレース不織布に配合した素材を用いることで、業務用キッチン内で衛生管理が難しいワイパークロスに高い抗菌性を持たせた。黄色ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌のほか、ウイルス性食中毒の代表格であるノロウイルスに対しても増殖を抑制する効果が確認されており、食中毒の発生リスクを低減する。
　また、強度と速乾性に優れているためこぼれた液体を拭き取りやすく、水にぬらすだけで脱臭、抗菌効果を発揮する。「セルガイア」に担持させた銅イオンとの相乗効果で高い抗菌効果が長期間持続し、生乾きのようなクロス特有のにおいも発生しない。一般的な管理手法である煮沸消毒、アルコール消毒、次亜塩素酸消毒との併用も可能で、すでに大手外食チェーンなどが『フルガードクロスPro』を採用している。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future10/15号」より