日本製紙は釧路工場で、溶解パルプ生産のための設備改造工事を完了、10月11日に竣工式を執り行った。投資額は約22億円。既存のクラフトパルプの連続蒸解釜を使用した溶解パルプの製造は国内初であり、経済産業省のイノベーション拠点立地支援事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の交付が決定している。同社では、溶解パルプの需要伸張を背景に、同事業の拡大を目指し今春から工事を進めていた。今後は実証・評価を進め、年間3万t規模まで生産を拡大する計画。
日本製紙にとって今回の取組みは、木質資源の利用技術を高度化し、事業領域の幅を紙以外にも広げていくためのもの。同社では、「今後さらに“木”の可能性を追求し、木質資源として総合的に活用する」としている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/5号」より