王子ホールディングス研究開発本部機能材研究所と、同社100%子会社で機能材カンパニーに属する新タック化成は、セパレーター(剥離紙)がなく、油性ペンやボールペンで筆記可能な粘着ラベル『セパフリー』シリーズを発売した。
一般的なラベルは使用後に剥離紙がゴミとなるが、環境意識の高まりから最近は剥離紙のない粘着ラベルが普及しつつある。しかし剥離紙のない粘着ラベルは、紙基材上に剥離層が設けられているため、筆記の際にインキをはじいたり、擦ると消えてしまうといった問題があった。また、ボールペンではペン先が滑ってしまうため全く筆記できなかった。筆記が可能なタイプも一部で販売されているが、長期保管している間にラベルを剥がしにくくなったり、剥がしたラベルのカールが大きくなるため貼付しても剥がれ落ちてしまうという課題があった。
今回の開発品は、王子グループの紙基材の中から最適なものを選択し、その表面に特殊剥離剤を塗工することで油性ペンやボールペンによる筆記性を付与。また、ラベル裏面には特殊粘着加工を施し、長期保管でラベルが剥がしにくくなる現象を抑え、かつ、どこでも貼り付けられ、しかも貼付したラベルが剥がれ落ちないようにすることに成功した。
剥離紙ゴミの処理を省ける上に嵩張らないコンパクトな積層タイプであり、かつ筆記性を有することから、荷札用ラベル、引越用ラベル、警告用ラベル、工程管理用ラベルなどさまざまな用途への展開が期待できる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future12/24号」より