大日本印刷は、米国・ペンシルバニア州、ピッツバーグ工場のバーコード用熱転写インクリボンの生産設備を増設する。これにより生産リードタイムを大幅に短縮し、北米・中南米での競争力を強化する。投資額は約1,000万㌦（約8億円）、稼働開始予定は5月。

　熱転写インクリボンは近年、物流や製造現場でのバーコード用に需要が増加、特に北米・中南米の使用量は全世界の4割を超え、今後も拡大が見込まれている。大日本印刷は、1980年代前半にファクシミリやワープロなどに使用される溶融型熱転写インクリボンの製造・販売を開始。日本だけでなく米国や欧州にも製造・販売拠点を持ち、そのシェアは世界市場でトップクラス。

　熱転写インクリボンには、フィルム基材に転写材料をコーティングして“ジャンボロール”を製造する工程と、製品サイズに合わせた断裁やパッケージングなどを行う後加工の工程がある。ピッツバーグ工場では現在、主に北米・中南米向けを生産しているが、生産能力の関係から、ジャンボロールは日本で製造したものを輸入して対応していた。今回の増設では、コーティング工程の生産設備を増強、ジャンボロールの生産能力を約2倍にし、一貫生産体制を強化する。これにより、北米・中南米市場向け熱転写インクリボンで、2014年度9,000万㌦（約74億円）の売上げを見込む。

＜ピッツバーグ工場の概要＞

〔運営会社〕DNP IMS America Corporation

〔所在地〕1001 Technology Drive, Mt. Pleasant, PA 15666-1706, United States

〔設立〕1994年

〔延床面積〕約1万4,000㎡（増設後）

〔生産能力〕約5,500万m2/月 （増設後）

 

株式会社　紙業タイムス社　「Ｆｕｔｕｒｅ2／11号」より