日本製紙連合会が集計した12月の紙・板紙国内出荷は前年同月比△0.5%の215.5万t、ほとんど横ばいだが7ヵ月連続の減少となった。うち、紙は△1.3%の124.7万tで9ヵ月連続のマイナス、板紙は+0.6%の90.8万tで5ヵ月ぶりのプラスだった。主要品種は新聞用紙、塗工紙、段ボール原紙を除き前年同月を下回った。
紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比+13.9%の4.9万tと、4ヵ月連続で増加している。震災前の水準は下回るも、アジア向けが増えている。
紙・板紙の在庫は前月比△9.3万tの198.0万tと3ヵ月連続で減少し、200万tの大台を割り込んだ。うち、紙は△7.9万tの137.1万tで3ヵ月連続の減、印刷・情報用紙を中心に圧縮が進んだ。板紙は△1.4万tの60.8万tで、こちらも3ヵ月連続の減少、段ボール原紙を中心に減っている。
以下、主要品種の動向である。
〔新聞用紙〕国内出荷は前年同月比+0.1%の28.7万t。ほぼ横ばいだが、選挙関連需要もあって4ヵ月ぶりに増加した。
〔印刷・情報用〕国内出荷は前年同月比△1.6%の67.4万tで、9ヵ月連続の前年同月割れとなった。主力の塗工紙は輸入の減少もあり、微塗工を中心に3月以来の増加(+1.8%の39.9万t)を示したが、非塗工紙、情報用紙は減少。荷動きは年末商戦向けのチラシ需要などがあったものの、全般的に盛り上がり感は今一つだった。
メーカー輸出は△4.0%の2.8万tで、4ヵ月ぶりのマイナス。主力の塗工紙の減少が影響している。
〔段ボール原紙〕国内出荷は前年同月比+1.3%の72.8万tで、5ヵ月ぶりに増加。荷動き自体は低調だったが、前年の価格修正後にあった反動減が影響している。
〔白板紙〕国内出荷は前年同月比△2.2%の11.6万tで、2ヵ月連続の減少。荷動きは関西地区を中心に低調だった。
暦年の国内出荷は88~89年当時の水準に
以上の12月の結果を受けた昨年1~12月暦年の需給実績は生産が前年比△2.4%の2,595.8万t、国内出荷も△2.4%の2,516.7万t、メーカー輸出が△10.0%の65.0万t、出荷の合計が△2.7%の2,581.7万tとなった(速報値)。
国内出荷は、バブル経済初期に当たる1988年の2,394.2万tと89年の2,605.6万tのほぼ中間というレベルまで後退した。ちなみにピークは2,000年の3,053.1万t。
主要品種別の国内出荷実績は次の通り(単位:1,000t、カッコ内は対前年増減率%)。
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紙・板紙合計 25,167(△2.4)
新聞用紙 3,262(+2.5)
印刷・情報 7,867(△4.7)
非塗工 2,083(△5.4)
塗 工 4,467(△4.4)
情 報 1,317(△4.9)
包装用紙 761(△6.5)
衛生用紙 1,772(△0.4)
雑種紙 726(△3.4)
紙合計 14,387(△2.7)
段ボール原紙 8,559(△1.6)
紙器用板紙 1,439(△4.4)
その他の板紙 638(△3.1)
板紙合計 10,779(△2.1)
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株式会社 紙業タイムス社 「Future2/11号」より