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紙の業界ニュース

2013/04/04

=王子HD、三菱化学=セルロースナノファイバー透明連続シート化に成功

 

 王子ホールディングスと三菱化学はこのほど、王子の東雲研究センター(東京・江東区)に、セルロースナノファイバーの連続シート化設備を設置、サンプルの製造と供給を開始する。
 シートの形成材料であるセルロースナノファイバーは、植物繊維(パルプ)をナノオーダー(1㎜の百万分の一)にまで解きほぐしたもので、その太さは髪の毛の2万分の1程度。線熱膨張係数(温度変化に伴う伸縮の度合い)はガラス繊維並みに小さく、弾性率はガラス繊維より高い、つまり硬くて丈夫という優れた特性を持つ。また、セルロースナノファイバーは植物由来であることから、紙と同様に環境負荷が小さく、リサイクル性にも優れている。
 これまでセルロースナノファイバーは、その細さから従来の抄紙機でのシート製造が極めて困難だった。両社はこれに対し、化学処理技術、製紙技術、シート加工技術を融合し、約4nmの超極細セルロースナノファイバーを用いた透明連続シートの製造に成功。このシートは軽量で紙のように折りたためるため、必要に応じて開いて使える大型ディスプレイや太陽電池などへの応用が期待される。
 また、平均繊維径が数10nmのセルロースナノファイバーを用いた連続シートでは、多孔質材料の機能を決定する比表面積、細孔径、空隙率の自由な制御技術を確立することに成功。その結果、8.0g/㎡の極薄シートが製造できるようになり、85.0g/㎡までの幅広い坪量範囲を持つ多孔シートの製造と供給を可能にした。
 この多孔シートは、比表面積を増加させ高い吸着性を実現した吸着材、細孔径を小さくし空隙率を高めることにより効率的に微細な物質をろ過できるフィルター、良好な透過性を持つセパレーターなどへの応用が期待される。またシート内部にナノ粒子を組み込むことにより、触媒、抗菌、脱臭などの機能をシートに付与することも可能になる。
 また透明シートおよび多孔シートは、樹脂と複合化することにより、樹脂の透明性を失うことなく、温度変化に伴う伸縮が小さく、しかも丈夫でフレキシブルという特長を付与できるため、エレクトロニクス、輸送機器、建材、医療などへの用途展開が考えらる。
 今後両社は、セルロースナノファイバーシートの幅広い用途開発を視野にサンプル供給を行い、実用化へ向けた製品開発を加速させる考え。
 
株式会社 紙業タイムス社 「Future4/8号」より
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