テトラパックはこのほど、2020年に向けた環境目標の、「2012年の進捗状況」を発表した。

　テトラパックは11年に、「20 年末までにバリューチェーン全体の気候変動への影響を 10 年レベルに抑える」という環境目標を掲げている。重点分野は、①環境負荷の低減　②持続可能な製品の開発　③リサイクルの向上の3分野。今回同社が発表したのは、その進捗状況。

　それによると、①については、12年は生産量が9.5％増えたが、CO2排出量は10年比で2kt減少。また②についても、生分解性ポリマー製キャップを使用した容器が、11年の8,000万パックから12年には6億1,000万パックに増加。またFSC認証紙を使用した容器も、11年比で40％増加し、世界39ヵ国で264億パックとなった。

　③については、同社では世界全体のテトラパック容器リサイクル率を、11年の2倍（40％）にするという目標を掲げている。リサイクル事情は国によって異なるため、各国で独自のリサイクル活動を展開しているが、日本では11年に1万5,468tだった回収量が12年は1万6,018tまで拡大。具体的には次のような活動を実施した。

【パルプ回収後の残渣となるポリエチレンやアルミ箔の価値向上】▽海外での技術や情報をベースに日本でのマテリアルリサイクルの可能性追求▽建材など異業界とのコラボによる高付加価値リサイクル技術の開拓▽アルミ系廃棄物の水素エネルギーとしての利用システムの開発

【業界団体やユーザーと共同で展開するリサイクル啓発活動】▽千葉コープ主催「きやっせ物産展」に飲料メーカーと共同参加▽全国牛乳容器環境協議会のリサイクルイベント「牛乳パックでグリーティングカードを作ろう」に参加

【回収の仕組み構築】▽再生紙・パルプメーカーや洗浄加工業者、古紙問屋などの協力施設数：全国29施設▽ベルマークプログラムによる学校経由の直接回収：参加団体数3,429▽テトラパックリサイクル便（08年4月立ち上げ）による消費者からの直接回収：登録メンバー数5,733

 

株式会社　紙業タイムス社　「Ｆｕｔｕｒｅ5/13号」より