日本製紙連合会が集計した6月の紙・板紙需給は、生産が前年同月比＋2.7％の217.1万t、出荷の合計が同＋0.4％の213.1万tとなった（速報ベース=以下同）。

　出荷のうち国内向けは△1.0％の204.7万tで、3ヵ月ぶりの減少。内訳は、紙が△1.4％の115.6万t、板紙が△0.6％の89.1万tと、いずれも3ヵ月ぶりの減少だった。主要品種は微増の印刷用紙（非塗工紙、塗工紙）、横ばいの段ボール原紙を除き減少している。

　紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比＋52.3％の8.4万tと、10ヵ月連続で増加した。うち、紙は＋33.2％（10ヵ月連続）の6.4万t、板紙は2.8倍（8ヵ月連続）の2.0万t。ともにアジア向けを中心に増加という基調は変わらないが、加えて紙では大洋州向けも増えている。震災前の水準に対しては板紙の急増もあり、全体で9割の水準。

　紙・板紙の在庫は前月比＋4万tの196.3万tと、2ヵ月連続で増えた。うち紙は＋0.2万tの132.0万tと、概ね横ばいも2ヵ月連続の増加。板紙は＋3.8万tの64.3万tで、段ボール原紙を中心に3ヵ月ぶりの増加だった。以下、主要品種の概況である。

〔印刷・情報用紙〕国内出荷は前年同月比△0.4％の63.5万t、ほぼ横ばいも4ヵ月ぶりの減少だった。PPCを中心に情報用紙（△5.5％）の減少が影響している。印刷用紙は参院選挙関連や一部消費税増税関連、加えて輸入の減少などもあり前年並み（＋0.7％）をキープ。メーカー輸出は＋33.3％の5.0万t、塗工紙を中心に6ヵ月の連続の増加となった。

〔包装用紙〕国内出荷は前年同月比△3.4％の6.2万t。晒系を中心に8ヵ月連続で減少した。他方、メーカー輸出は1万tの大台を超え（＋33.4％）、引き続き高水準をキープ。

〔衛生用紙〕国内出荷は前年同月比△3.1％の14.0万tと、3ヵ月ぶりに減少した。価格修正や、ティシュ（加工品）を中心とした製品輸入の増加などが影響しているようだ。

〔段ボール原紙〕国内出荷は前年同月比横ばいの71.0万tだった。営業日数が1日減少したものの、比較的堅調な飲料向けに加え青果物、一部家電向けなどの回復が寄与。

〔白板紙〕国内出荷は△4.2％の11.5万t。一般向けを中心に8ヵ月連続の減少と不振から抜け出せずにいる。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future8/12号」より