製紙各社の値上げ表明を受けて、日本洋紙板紙卸商業組合(=日紙商)もメーカー各社と代理店各社に要望書を提出した。要望事項は以下の6点。
①ユーザーに対し価格修正を実施する明確な理由の説明
②「取引条件別一物多価」に基づいた対応(全品種、全顧客、修正幅、適用時期などについて、「取引条件別一物多価」の考え方に基づいた価格修正であること)
③ユーザーに説明できない、合理的と思われない価格差の解消
④公平な適用時期の実施、並びに価格安定化の実現
⑤(メーカー、代理店作成の)標準価格表に基づいた公平な取引商習慣の構築
⑥【製紙メーカー宛】取引代理店各社への、上記要望事項の確固たる実施要請
⑥【代理店宛】直需取引先に対しても、上記要望事項に基づいた取引を完全実施すること
日紙商は2006年に提言書「新たなる紙流通市場の構築に向けて」を発行し、「公正で透明かつ適正な取引の場と機会の必要性」と「取引条件別一物多価」を提案、製紙メーカー・代理店各社と定期会合を持ちながら啓発活動を行ってきた。今回の要望書提出に当たっても、「取引条件別一物多価の実践が、ユーザーの信頼に応え理解を得られるものと確信する」と述べている。特にこの10月からの価格修正は、今年2回目の値上げであることから、「高まるユーザーの不信感を解消し、再生産可能な適正価格定着への理解を求めるには、掲記の価格体系の実現が必須」と訴えた。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/11号」より