日本製紙はかねて、同社の独自技術である容器内挿し木技術を活用し、京都・真如堂(正式名称:鈴聲山真正極楽寺=れいしょうざんしんしょうごくらくじ)の「たてかわ桜」の苗木育成に協力してきたが、このほど育苗が完了、真如堂に苗木を返還した。
真如堂のたてかわ桜は、徳川家光の乳母・春日局が父・斎藤内蔵介利三の菩提を弔うために植えたとされる桜で、樹齢300年以上、直径1mの巨樹だったが、1959年の伊勢湾台風で倒木した。ところがその数年後、折れた幹から芽が吹き出し花を咲かせるまでに回復。しかしここ数年は、樹勢が衰えたこともあり、後継木の育成が検討されている。日本製紙は真如堂からの依頼を受け、後継木の育成に取り組んできたもの。今回返還した苗木は、改めて真如堂の敷地内に植栽される予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future12/23号」より