厚労省が昨年12月27日に発表した2013年11月度の一般職業紹介状況によると、同月の有効求人倍率（新規学卒者を除きパートを含む全数、季節調整値、以下同）は前月を0.02ポイント（pt）上回り1.00倍となった。有効求人倍率が1.00倍以上となるのは07年10月度（1.01倍）以来。また11月度の新規求人倍率は1.56倍で10月度を0.03pt下回ったが、9月度の1.50倍を0.06pt上回って上昇基調にあり、アベノミクス効果が有効求人倍率の底上げに寄与しているようだ。

　景気の波を受けやすい有効求人倍率を直近10年間の年度で見ると、03年度：0.69倍→04年度：0.86倍→05年度：0.98倍→06年度：1.06倍→07年度：1.02倍→08年度：0.77倍→09年度：0.45倍→10年度0.56倍→11年度：0.68倍→12年度：0.82倍。リーマン・ショック（09年度）や東日本大震災（11年度）の影響を大きく受けたことが分かるが、その後13年度に入ってからは4月：0.89倍→5月：0.90倍→6月：0.92倍→7月：0.94倍→8月：0.95倍→9月：0.95倍→10月：0.98倍と続き、11月でようやく1.00倍まで回復した。

　ちなみに11月の月間有効求人数は全数で225万3,928人、対前年同月増減率は＋10.7％。月間有効求職者数は全数で211万2,498人、増減率は同△9.3％。求人が増え求職が減るのは、経済活動が上向いてきた証しと言える。

　一方、11月の新規求人数は全数で79万3,007人。産業別に対前年同月比を見ると、製造業が＋20.0％で最も高く、以下サービス業の＋17.0％、建設業の＋11.0％が産業全体の平均値＋6.9％を上回っている。

　製造業のうち「パルプ・紙・紙加工品製造業」の11月度新規求人数は1,759人で対前年同月比＋37.6％。実数では他産業に比べて低い方だが、伸び率は機械器具製造業や非鉄金属製造業などに次いで高くなっている。逆に「印刷・同関連業」の11月度新規求人数は実数で2,322人だが、対前年同月比は△5.1％と減少している。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future2/3号」より