大阪府守口市の家庭紙卸、大阪ホームの青山隆之社長は、趣味で描き始めた絵手紙を45年間も続けている。最近はインターネット上の通販サイト「楽天」でも作品が販売されており、静かなブームを呼んでいる。

　青山社長は今年で76歳になるが、今も「1日平均3枚くらいのペースで下手なりに描き続けている（笑）」という。3年前、既製カレンダー制作の最大手、杉本カレンダーが「笑顔まんまる」というほのぼのとしたタイトルで全国に売り出してから、少しずつ評判が広がっていった。

　絵手紙は手描きの絵に短い言葉を添えて、自分の気持ちや伝えたいことを表現するもの。どちらか一方だけの表現に比べ、絵と文字のコラボレーションによるインパクトは大きい。

　カレンダーの場合、季節の草花に人生の応援歌になるような短い言葉を添えて1ヵ月分としている。例えば、今年1月のものは椿の花に「感謝の心に花が咲き 不満の心に花が散る」（写真）、4月はレンゲの花に「手に取るな やはり野におけ れんげ草」、6月は「さがる程 人は見上げる藤の花」、8月は「毎朝 一段一段 のぼってみせる朝顔」といった具合だ。

　現在は大阪で商売を営む青山氏だが、生まれ育ったのは岡山県久米南町下弓削。言葉に対するみずみずしい感覚は、川柳の町として知られるこの町が育んだDNAかもしれない。なお青山氏の作品を販売している楽天のWEBサイトは、http://item.rakuten.co.jp/tatsujingift/sg-273/

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future3/10号」より