＝紙パの第1四半期＝

　前号に続き、紙パ関連企業の第1四半期（2014年4～6月）決算を紹介する。以下、数値は連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年増減率、〈　〉内は前年同期の実績値。

【紙流通】

●日本紙パルプ商事

〔第1四半期〕

　売上高 127,724 （△0.2％）

　営業益 1,474 （△21.2％）

　経常益 1,656 （△24.6％）

　当期益 1,393 （＋22.0％）

〔通期予想〕

　売上高 550,000 （＋1.5％）

　営業益 7,200 （△8.2％）

　経常益 7,000 （△10.2％）

　当期益 3,600 （＋269.6％）

　「国内卸売事業」は消費税増税に伴う駆け込み需要の反動で販売量が減少し、売上高が前年同期比△3.6％、経常利益は△7.5％となった。「在外卸売事業」は、円安効果もあり売上高は同＋9.1%、経常利益は＋11.2%だった。「製紙および加工等事業」は、売上高は同＋1.8％だったが、経常利益は原燃料価格の上昇により△9.6％となった。「不動産賃貸事業」はテナント退去の影響により大幅な減収減益。四半期純利益が増益となっているのは、厚生年金基金解散損失引当金戻入額を特別利益に計上したため。

●平和紙業

〔第1四半期〕

　売上高 4,830 （△2.1％）

　営業益 30 （＋82.6％）

　経常益 51 （＋17.6％）

　当期益 30 （＋39.8％）

〔次期予想〕

　売上高 21,193 （＋2.6％）

　営業益 375 （＋2.0％）

　経常益 418 （＋0.4％）

　当期益 225 （＋3.2％）

　取扱い6品目のうち、ファンシーペーパー（金額構成比25.0％）は、制作コストの削減化傾向が根強く、前年同期比△6.4％の減収となった。ファインボード（同12.0％）は、化粧品や医療品、食料品の贈答品パッケージなどへの採用が増え＋0.6％の増収。高級印刷紙（同23.5％）は需要減やコスト削減の影響を受け△6.4％の減収。ベーシックペーパー（同27.6％）は塗工紙や情報用紙を中心に一般商業印刷物などに採用され、また色上質紙も好調で＋4.7％の増収。技術紙（同10.1％）は、耐水紙や電子機器製造用工程紙が伸びて＋7.1％の増収。その他（同1.8％。家庭紙ほか）は△1.0％の減収だった。

【紙加工】

●トーモク

〔第1四半期〕

　売上高 31,410 （＋5.9％）

　営業益 △914 〈前期△253〉

　経常益 △676 〈前期△7〉

　当期益 △560 〈前期△207〉

〔通期予想〕

　売上高 157,000 （＋4.4％）

　営業益 7,300 （＋7.8％）

　経常益 7,500 （＋3.4％）

　当期益 4,000 （＋81.2％）

　主力の段ボールの生産量は、消費税率引上げ後には反動減があったものの前年同期を若干上回った。しかし売上高は前年同期比△2.5％となり、営業利益は原燃料のコストアップもあって同△43.9％となった。住宅事業は、同＋53.4％の増収ながら、施工コストの上昇や売上が下半期に集中し上半期はコストが先行するという住宅事業の特性もあり、利益面では赤字となった。

●スーパーバッグ

〔第1四半期〕

　売上高 8,267 （△0.7％）

　営業益 △145 〈前期△144〉

　経常益 △179 〈前期△93〉

　当期益 △127 〈前期△67〉

〔通期予想〕

　売上高 36,500 （＋1.7％）

　営業益 330 〈前期△277〉

　経常益 320 〈前期△65〉

　当期益 200 〈前期△28〉

　紙製品事業は主力の角底袋や手提袋の販売減などにより減収となったが、セグメント利益は製造コ ストの削減と生産効率向上、販管費の削減により増益。化成品事業は主力のレジ袋の売価修正などにより増収となったが、セグメント損益は原材料高などにより赤字となった。

●昭和パックス

〔第1四半期〕

　売上高 4,454 （△2.1％）

　営業益 164 （△2.4％）

　経常益 211 （△6.4％）

　当期益 141 （△6.7％）

〔通期予想〕

　売上高 20,000 （＋2.3％）

　営業益 930 （＋4.6％）

　経常益 1,030 （＋1.0％）

　当期益 710 （＋0.3％）

　主力製品が国内生産動向の影響を受けやすい産業用包装資材であるため、連結子会社の堅調はあったものの、全体として消費税率引き上げ後の反動減の影響を 避けられず減収減益となった。セグメント別では、主力の重包装袋は前年同期比△2.1％の減収、フィルム製品は同△6.0の減収、コンテナーは同△0.6％の減収だった。

●大石産業

〔第1四半期〕

　売上高 4,400 （△2.3％）

　営業益 124 （△54.4％）

　経常益 182 （△44.7％）

　当期益 118 （△41.4％）

〔通期予想〕

　売上高 19,000 （＋5.4％）

　営業益 800 （＋9.8％）

　経常益 1,000 （＋5.8％）

　当期益 650 （＋8.1％）

　消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減などの影響を受け、減収減益となった。

 

＝紙パの第2四半期＝

　続いて、12月期決算の紙加工企業の第2四半期業績（2014年1～6月）を紹介する。数値は連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年同期増減率、〈　〉内は前年同期の実績値。。

●コクヨ

〔第2四半期〕

　売上高 156,243 （＋3.7％）

　営業益 7,396 （＋12.7％）

　経常益 7,935 （＋2.3％）

　当期益 3,995 （△10.8％）

〔通期予想〕

　売上高 294,500 （＋2.2％）

　営業益 7,800 （＋21.4％）

　経常益 8,200 （△0.9％）

　当期益 4,200 （△12.6％）

　消費税増税前の駆け込み需要やその反動が一時的に発生したものの、オフィス家具販売が堅調に推移したことなどにより増収となった。利益面では、売上総利益の増加により営業利益は二桁増、経常利益は為替相場が前年同期に比べ安定したため為替差益が減少したが、前年同期を上回った。しかし四半期純利益は法人税などの増加により減益となっている。セグメント別では、ステーショナリー関連は内外ともに伸長し、前年同期比＋4.3％の増収となったが、営業利益は販売チャネルの構成の変化、低利益製品の売上構成比率アップ、原材料高などにより同△20.3％の減益となった。ファニチャー関連事業は売上高が同＋7.6％、営業利益が同＋58.0％の増収増益となった。通販・小売関連も、連結子会社フォーレストの連結除外に伴う減収があったものの売上高は前年並みを維持し、営業利益は同＋30.4％を記録した。

●ザ・パック

〔第2四半期〕

　売上高 39,311 （＋2.3％）

　営業益 2,120 （＋6.6％）

　経常益 2,234 （＋9.6％）

　当期益 2,397 （＋86.9％）

〔通期予想〕

　売上高 86,000 （＋2.0％）

　営業益 5,700 （＋8.5％）

　経常益 5,800 （＋7.6％）

　当期益 4,300 （＋30.2％）

　4月に西日本印刷工業を完全子会社化し、製造・販売拠点の拡大と技術力の拡充を図った。これに伴い、負ののれん発生益10億6,400万円を特別利益として計上した。通期予想の当期純利益も6月に上方修正している（33億1,000万円→43億円）。セグメント別の業績は、2Q売上高の59.2％を占める「紙加工品事業」では、主力の紙袋で高級袋が大きく伸長したほか、4月に子会社化した西日本印刷工業の売上も貢献。また紙器、段ボール、印刷の売上も大きく伸びて同事業の売上高は前年同期比＋4.7％の増収、営業利益は東京工場の減価償却費の逓減もあって同＋18.0％の増益となった。一方、2Q売上高構成比21.3％の「化成品事業」は、売上高は＋5.6％の増収となったが、原材料高により営業利益は△20.5％の減益となった。

●ダイナパック

〔第2四半期〕

　売上高 22,400 （＋2.3％）

　営業益 277 （△54.9％）

　経常益 484 （△41.0％）

　当期益 △252 〈前期570〉

〔通期予想〕

　売上高 47,100 （＋1.3％）

　営業益 1,230 （△18.7％）

　経常益 1,480 （△17.4％）

　当期益 550 （△59.1％）

　販売量は前年同期を上回ったが、競合激化から販売単価が前年を下回ったため、販売量の伸びを充分に収益に反映させることはできなかった。原価面では、原燃料の市況変化による経費増の影響が大きく、社内の合理化施策でその影響額のすべてをカバーすることはできなかった。一方海外は、中国・東南アジアの需要を取り込み、販売金額で前年同期比＋8％となった。今後も東南アジア市場で拡販を図るため、フィリピンに子会社を設立し事業開始の準備を進めている。なお、公正取引委員会から課徴金納付命令書を受領したため、当該課徴金を特別損失に計上した。

　通期予想は、7月に営業利益、経常利益、当期純利益を下方修正している。販売単価の下振れと原燃料価格の高騰により営業・経常利益が減少、また当期純利益は、これらの理由に加え、繰延税金資産を一部取り崩したことにより、下方修正したもの。

 

 

 

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future9/22号」より