=紙パの第1四半期③=
前号に続き、紙パ関連企業の第1四半期(2016年4~6月)決算のを紹介する。以下、数値は連結ベース、単位100万円、( )内は対前年同期増減率、〈 〉内は前年同期の実績値。
【紙加工】
◆リンテック
〔第1四半期〕
売上高 48,415 (△7.9%)
営業益 3,721 (△24.9%)
経常益 2,817 (△44.4%)
当期益 2,112 (△41.4%)
〔通期予想〕
売上高 215,000 (+2.1%)
営業益 20,000 (+13.0%)
経常益 19,500 (+10.6%)
当期益 13,500 (+23.9%)
○印刷材・産業工材関連…売上高は前年同期比△5.3%、営業利益は△4.8%。シール・ラベル用粘着製品は、国内は医薬・物流関連が堅調だったものの食品関連が低調で、海外は中国、アセアン地域の景気減速の影響を受け減少、この結果、前年割れとなった。産業工材事業も減少している。
○電子・光学関連…売上高は前年同期比△11.7%、営業利益は△35.7%。売上高、営業利益ともに円高による大きな目減り影響を受けた。
○洋紙・加工材関連…売上高は前年同期比△4.9%、営業利益は△9.0%。洋紙事業は、主力のカラー封筒用紙で隠蔽性を付与した封筒用紙が大幅に増加したが、耐油紙やクリーンペーパー などの工業用特殊紙が減少し、全体でも減少。加工材事業も減少。
◆トーモク
〔第1四半期〕
売上高 30,540 (△0.2%)
営業益 △356 〈△1,228〉
経常益 △254 〈△967〉
当期益 △415 〈△824〉
〔通期予想〕
売上高 158,000 (+4.4%)
営業益 6,600 (+29.7%)
経常益 7,000 (+24.9%)
当期益 4,000 (+11.8%)
○段ボール…生産量は、加工食品や通販・宅配向けが増加し、前年同期を上回った。売上高は、長野工場の稼働開始により販売量は増加したが、価格の軟調傾向により前年同期比△1.8%。営業利益はコスト削減効果もあって+55.6%。
○住宅…売上高は前年同期比△4.4%。営業損益は、売上げが下半期に集中し上半期はコストが先行するという住宅事業の特性から損失計上(△20億3,000万円)となったが、前年同期よりは損失額が圧縮。
○運輸倉庫…売上高は前年同期比+9.0%、営業利益は+8.0%。
◆ナカバヤシ
〔第1四半期〕
売上高 12,433 (+1.1%)
営業益 189 (△36.5%)
経常益 191 (△55.5%)
当期益 81 (+25.0%)
〔通期予想〕
売上高 58,500 (+4.1%)
営業益 2,500 (+6.5%)
経常益 2,700 (+6.5%)
当期益 1,400 (+16.0%)
売上高は、前期にM&Aにより連結子会社として加わったリーベックスおよびマルヨシ民芸家具の業績がフルに寄与し、また前期 より稼働した連結子会社の松江バイオマス発電の業績も期初より順調に推移したことなどから増収となった。利益面は、原価率が上昇し販管費が増加したため、営業・経常利益が減益となった。当期純利益は、特別利益として固定資産売却益400万円を含む計900万円を計上し、増益となった。
セグメント別の業績を見ると、印刷製本関連は売上高が前年同期比△9.5%、営業損益は損失計上(△5,400万円)。ステーショナリー関連は売上高が△2.7%、営業利益が+48.6%。環境・オフィス関連は売上高が+22.9%、営業利益が+25.4%。デジタルガジェット関連は売上高が+29.2%、営業利益が+5.5%。ベビー・メディカル関連は売上高が△5.0%、営業損益が損失計上(△1,000万円)。発電関連は売上高が+178.5%、営業利益が+911.2%だった。
◆朝日印刷
〔第1四半期〕
売上高 9,192 (+9.0%)
営業益 604 (△20.2%)
経常益 726 (△14.8%)
当期益 460 (△10.9%)
〔通期予想〕
売上高 36,200 (+3.5%)
営業益 2,360 (△6.5%)
経常益 2,580 (△8.1%)
当期益 1,700 (△8.2%)
売上高は増収となったが、京都クリエイティブパーク関連費用など、固定費増加の影響により減益となった。
○印刷包材…売上高は前年同期比+3.3%。医薬品向け市場では、OTC向け製品は前年同期を上回ったが、医療用向け製品は微減。化粧品市場では受注が前年同期を上回った。
○その他…包装システム販売の売上高は前年同期比+143.7%、人材派遣は△17.0%。
◆スーパーバッグ
〔第1四半期〕
売上高 7,997 (△2.9%)
営業益 134 〈△62〉
経常益 98 〈△48〉
当期益 73 〈△48〉
〔通期予想〕
売上高 36,000 (+2.4%)
営業益 600 (+99.3%)
経常益 600 (+127.3%)
当期益 360 (+157.1%)
○紙製品…主力の角底袋や手提袋の販売量増加などにより増収となった。営業利益も、生産効率の向上やコスト削減に努め増益。
○化成品…主力のレジ袋の販売減などにより減収となったが、営業利益は原材料価格の低下などにより増益。
◆大石産業
〔第1四半期〕
売上高 4,367 (△4.7%)
営業益 302 (+41.0%)
経常益 259 (△11.1%)
当期益 181 (△42.3%)
〔通期予想〕
売上高 18,500 (+3.1%)
営業益 1,150 (+4.2%)
経常益 1,350 (+2.0%)
当期益 930 (△3.5%)
景気の先行き不透明感が続く中、トータル・パッケージング・ソリューション提案による顧客満足を徹底的に追求するとともに、全社をあげてイノベーション活動に取り組んだ。
◆昭和パックス
〔第1四半期〕
売上高 4,530 (△5.4%)
営業益 211 (+9.8%)
経常益 254 (+12.6%)
当期益 164 (+9.8%)
〔通期予想〕
売上高 21,000 (+4.6%)
営業益 1,140 (+3.8%)
経常益 1,220 (+3.4%)
当期益 830 (+0.6%)
○重包装袋…主力製品であるクラフト紙袋の、昭和パックス本体の売上数量は前年同期比+0.5%。業界全体と同様に米麦袋、合成樹脂用途が減少したが、砂 糖・甘味、その他食品、化学薬品などの用途が増加し補った。子会社の九州紙工の売上数量は△3.4%、タイ昭和パックスは△0.7%、山陰製袋工業は+0.6%。セグメント全体の売上高は、タイバーツに対する円高が響いて△3.2%。
○フィルム製品…産業用、農業用ともに売上数量が減少し、売上高は前年同期比△10.9%。
○コンテナー…売上高は前年同期比+0.4%。ワンウェイ・フレコンは減少したが、大型コンテナーバッグ、液体輸送用の製品が増加した。
◆野崎印刷紙業
〔第1四半期〕
売上高 3,993 (△7.3%)
営業益 88 (△31.8%)
経常益 88 (△31.3%)
当期益 46 (△34.7%)
〔通期予想〕
売上高 16,900 (△3.0%)
営業益 200 (△62.3%)
経常益 198 (△62.4%)
当期益 120 (△39.9%)
○商業印刷…製造業の受注が回復し、美術印刷物も堅調に推移したことなどから、売上高は前年同期比+9.9%。
○包装資材および紙器、紙工品…紙袋類は需要が回復し堅調に推移したが、紙器は受注競争による価格の低下により減少したため、売上高は前年同期比△11.4%。
○情報機器およびサプライ品…シール貼札は価格競争の影響を受けて受注が減少し、情報機器類も取引先の設備投資減退により減少したことなどから、売上高は前年同期比△7.2%。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/12号」より