紙の博物館は9月17日から、企画展「紙で旅するニッポン～九州・中国編～」を開始した。開催期間は2017年3月5日までの約半年間。

　紙の博物館は2014年から、日本各地の和紙・洋紙業の歴史や現状、特色、製品・工芸品を紹介するシリーズ展「紙で旅するニッポン」を開催しており、今回の九州・中国編は、関東・甲信編、北海道・東北編に続く第三弾。九州地方では、江戸時代に唐津や八女、八代など各地で紙づくりが行われ、また中国地方では中世から朝廷・幕府の御用紙として備中檀紙が生産されてきた。近年は、石州半紙がユネスコの無形文化遺産に登録されて話題になっている。そして洋紙業では、九州・中国地域は臨海地域に大型の紙パルプ一貫工場が多いことで知られている。同展では、こうした九州・中国地域の和紙・洋紙業を、“旅する気分”で知ることができる。

　島根県の着色模様和紙（1966年）。手漉き和紙と糊だけで作られた山鹿灯籠「熊本城」（熊本県、1992年頃）。山陽国策パルプ岩国工場の製品ラベル「BRIDGE」、錦帯橋がデザインされている（1946～72年頃）。

　また関連イベントとして、次のようなイベントも開催される。申込み方法などはwebサイト（http://www.papermuseum.jp/event/）を参照。

◆和紙づくりを楽しもう…▽9/22（参加申込は締切済）▽10/10（祝）13:00～15:00（申込締切9/25）▽500円（入館料別）▽定員15名（中学生以上）▽内容：楮（こうぞ）を原料とした和紙を漉き、押し花などで飾ってオリジナルの和紙づくりを体験

◆小川和紙手漉き実演会…▽11/3（祝）13:30～15:30▽無料（入館料別）▽内容：埼玉伝統工芸士・谷野裕子氏による手漉き実演会。小川和紙の代表的手漉き和紙である細川紙は昨年、ユネスコ無形文化遺産に登録された▽随時見学可

◆ミュージアムトーク…▽12/3（土）、1/28（土）14:30～15:00▽無料（入館料別）▽当日先着20名▽内容：学芸員による同展の見どころ紹介

《その他のイベント》

◆かみはく友の会講演会「日本の製紙王　大川平三郎～若き技術者としての日々を中心に～」…▽11/23（祝）14:00～15:30▽講師：辻本直彦（紙の博物館学芸部長）▽無料（会員以外は別途入館料）▽定員50名（会員優先、一般参加可）▽申込：往復はがきで（11/9締切）

【紙の博物館】

▽東京都北区王子1－1－3（飛鳥山公園内）▽10:00～17:00（入館は16:30まで）▽休館：月曜（祝日開館）、祝日の翌日、年末年始▽入館料：大人300円、小中高生100円（団体割引あり）▽http：//www.papermuseum.jp/

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future9/26号」より