凸版印刷は、発泡材を使用した緩衝機能付フィルム『グッドクッションフィルム』を開発、緩衝機能付封筒が自動製造できる包装機と合わせ、CD/DVDや書籍、サプリメントなどを取り扱う通販業界のメール便封筒向けに、10月上旬から販売開始した。自動包装で封筒などに加工できる緩衝機能付フィルムは業界初。写真はメール便封筒のサンプルイメージ。

　ライフスタイルの変化、スマートフォン普及などにより、通販市場は2020年には約20兆円に成長すると予測されている。通販は従来の店頭購買と異なり、世界中の商品をインターネットなどでいつでも好きな時間に購入できるといったメリットがある一方、商品の梱包や配送にかかるコストをどのように軽減するかが課題となっていた。その解決策として、CD/DVDや書籍、文房具、サプリメントなどの小物類は、宅配便よりも配送料が安価なメール便を利用する通販事業者が増加している。この封筒には、中の商品の破損を防ぐため、気泡緩衝材とクラフト紙封筒を一体化した製品が利用されることが多いが、封筒自体が厚く商品があまり入らないといった問題や、外側が紙製のため水濡れに弱く、またその製造工程上、封筒サイズが大きくなってしまうといった課題があった。凸版印刷が開発した『グッドクッションフィルム』と包装機は、これらの課題を一挙に解決する製品として開発された。

　メール便などの封筒を自動包装機で製造でき、梱包作業を自動化できるため、既成封筒に手作業で封入・封かんしていた従来方式と比較して作業効率を約3倍向上できる。また、『グッドクッションフィルム』を用いた緩衝機能付封筒は、従来のクラフト封筒と気泡緩衝材が一体化した封筒と比較し、厚みが約半分となる薄肉化も実現した。封筒の厚みで送料が決まるメール便では、従来と同じ送料でより多くの商品の発送が可能になる。加えて、内容物が透けない特殊インキを使用した印刷や美粧印刷により、機能性とデザイン性を両立させた。さらに、従来品と同等の耐衝撃性を保ちながら、フィルムの特性を活かして従来品より5倍以上の耐水性を実現した。

　同時発売する包装機は、ロール状の『グッドクッションフィルム』からの三方製袋、内容物の封入、封かん、宛名ラベルの貼付までが1ラインで対応でき、製袋時にシール部をトリミングカットすることにより封筒サイズを最小にし、端面もきれいに仕上がる。またコンパクト設計のため、省スペースで既存の梱包現場への導入も容易。

　凸版印刷は、同製品を含む通販業界向け梱包材のラインアップを拡充し、関連する包装機や周辺機器を含め、2018年度に約10億円の売上げを目指す。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/7号」より