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紙の業界ニュース

2017/01/10

=日本製紙=

研究開発の一部を東京・王子から富士市へ
 日本製紙は、2017年下期から、研究開発の一部を静岡県富士市の富士工場敷地内に移転する。これまでは東京・北区の王子地区に研究開発本部を置き、機能を集中させることで効率的な研究開発を行ってきたが、グループの競争力向上につながる技術開発を迅速に進めていく観点から、体制を再編するもの。
 現研究開発本部の機能のうち、移転の対象となるのは次の通り。
①総合研究所の一部機能
 近年、特に新聞・印刷用紙をはじめとする洋紙は構造的な需要縮小が続いており、最適な生産システム構築を意識した技術開発が求められるようになってきている。富士地区は、富士工場に加え、その近隣にはグループ会社の工場が多数あり、生産現場との連携を図るには適地であることから、総合研究所の一部機能を移転する。
②CNF研究所
 日本製紙は10月から、CNF事業推進室を「CNF研究所」と「新素材販売推進室」に分けて新体制にしたが、その中で、CNFの用途開発については、より実機に近いスケールの設備で課題を抽出しながら技術開発していく必要が出てきたことから、場所の拡張性を確保でき、関東や中部の大都市圏に近い富士工場の敷地内に、その機能を移転する。同社では、「静岡県と富士市がCNF実用化を進めていく体制を整えている観点からも、CNF研究拠点の富士工場への移転はメリットがある」としている。
 
富士工場にCNF強化樹脂の実証生産設備を設置
 日本製紙は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ナイロンなどの樹脂にCNFを混練することによって得られるCNF強化樹脂の実用化を推進するため、富士工場に実証生産設備を設置する。2017年6月稼働予定で、年間10t以上のCNF強化樹脂を生産し、自動車、建材、家電など、幅広い産業へ向けてサンプル提供を行っていく。
 CNFは、木材パルプをナノレベルまで細かく解繊したもので、軽量かつ弾性率が高く、熱寸法安定性が良好であるなど、多くの優れた特性を持つことが知られている。樹脂などへの混練により、樹脂を軽量で高強度化する新素材として期待されているが、CNFは親水性が高いため、樹脂などに均一に分散させることが技術的に難しく、CNFの疎水化法確立が課題となっていた。
 日本製紙は、京都大学を拠点として実施されている国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画しており、CNF強化樹脂の開発に取り組んでいる。同プロジェクトでは、パルプの有効な疎水化法と、樹脂との混練時にナノ解繊することによって安価で高品質なCNF強化樹脂を作り出す手法を開発している。その中で得られた知見を利用し、CNF強化樹脂の大量生産技術の実用化を目指すとともに、具体的な用途開発を進めていくため、実証生産設備を設置するもの。
 日本製紙は前述の通り、研究開発体制の再編により、2017年下期からCNF研究拠点を富士工場に移転する。CNFについては、すでに石巻工場(宮城県石巻市)、ケミカル事業本部江津事業所(島根県江津市)の2拠点で、それぞれ用途に応じたCNF量産設備の設置を進めているが、CNF強化樹脂では、関東・中部地域の自動車用途などでの利用を見込んでおり、富士工場の実証生産を通じて実用化のスピードアップを図る。
 
 
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/16号」より
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