環境省と国土交通省は、強い毒性を持つ特定外来生物「ヒアリ」が相次いで確認されていることを受け、8月2日の横浜港を皮切りに全国68港湾で改めてモニタリング調査を始めた。この調査に合わせて東京と大阪では、港湾管理者を対象に専門家による講習会も実施した。

　日本では南米原産のヒアリが今年5月26日に兵庫県尼崎市で初めて見つかり、6月9日にヒアリと確認、同13日にヒアリだと公表された。中国、台湾などからのコンテナ船ルートを通じた国内侵入とみられるが、その後相次いで確認事例が報道されている。

　今回の調査で対象となるのは中国や台湾、東南アジア、オセアニア、北米、南米などと定期コンテナ航路を持つ、次記の68港湾。調査は専門家と港湾管理者がそれぞれ、いずれも目視と粘着トラップ設置により行う。ただし粘着トラップの解析は、すべて専門家が行う。ヒアリが確認された場合は、速やかに結果を公表。またヒアリが確認された場合の防除のために、68港湾には当面必要な分量の殺虫餌（ベイト剤）が環境省から配布されているという。

＜調査対象の68港＞東京、横浜、川崎、名古屋、四日市、大阪、神戸、下関、北九州、博多、苫小牧、室蘭、小樽、釧路、石狩湾新、函館、八戸、大船渡、釜石、仙台塩釜、秋田、酒田、小名浜、茨城、鹿島、千葉、新潟、直江津、伏木富山、金沢、敦賀、清水、御前崎、三河、舞鶴、堺泉北、和歌山下津、境、浜田、水島、福山、広島、呉、徳山下松、大竹、岩国、宇部、三田尻中関、徳島小松島、高松、松山、今治、三島川之江、高知、伊万里、長崎、三池、八代、熊本、大分、細島、油津、鹿児島、川内、志布志、那覇、平良、石垣

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future８/２１号」より