＝紙パの第1四半期業績④＝
前号に続き、紙パ関連各社の第1四半期（2017年4～6月）決算を紹介する。以下、数値は連結ベース、単位100万円、（ ）内は対前年同期増減率、〈 〉内は前年同期の実績値。
【紙流通】
●国際紙パルプ商事
〔第1四半期〕
売上高 91,967 （＋2.5％）
営業益 373 （＋240.8％）
経常益 635 （＋75.1％）
当期益 410 （＋110.5％）
〔2018年3月期予想〕
売上高 365,000 （△0.5％）
営業益 1,300 （＋26.1％）
経常益 1,600 （＋43.6％）
当期益 900 （△59.4％）
○国内拠点紙パルプ等卸売…出版市場の縮小やチラシ・広告の紙離れ加速により、売上高は前年同期比△2.4％となったが、営業利益は同＋36.2％。
○海外拠点紙パルプ等卸売…ほぼ全拠点好調で、特に市況が好転した中国、輸出入ともに好調な米国、そのほか香港・豪州などの業績が改善、売上高は前年同期比＋30.9％、営業損益は赤字から脱却した。
○不動産賃貸…売上高は前年同期比△20.2％、営業利益は同△34.3％。
【紙加工】
●リンテック
〔第1四半期〕
売上高 60,705 （＋25.4％）
営業益 4,960 （＋33.3％）
経常益 4,798 （＋70.3％）
当期益 2,715 （＋28.6％）
〔2018年3月期予想〕
売上高 250,000 （＋21.4％）
営業益 20,000 （＋20.5％）
経常益 19,500 （＋24.3％）
当期益 13,500 （＋17.9％）
○印刷材・産業工材関連…売上高は前年同期比＋46.8％、営業利益は同＋6.8％。印刷・情報材事業は日用品・医薬品関連や海外事業の堅調により増収、産業工材事業も昨年末に買収した欧米子会社の売上げが加わり増収。
○電子・光学関連…売上高は前年同期比＋11.6％、営業利益は同＋44.8％。アドバンストマテリアルズ事業は半導体関連粘着テープおよび関連装置の大幅増などにより増収、オプティカル材事業は減収。
○洋紙・加工材関連…売上高は前年同期比＋5.6％、営業利益は同＋33.6％。洋紙事業は工業用特殊紙や耐油紙の堅調により、加工材事業はFPCカバーレイ用剥離紙や光学関連製品用剥離フィルムの堅調などにより、いずれも増収。
●古林紙工
〔第1四半期〕
売上高 4,233 （＋3.4％）
営業益 202 （＋72.2％）
経常益 212 （＋76.2％）
当期益 143 （＋80.2％）
〔2018年3月期予想〕
売上高 16,600 （＋1.8％）
営業益 600 （＋5.9％）
経常益 530 （△2.3％）
当期益 350 （△0.2％）
ユーザー環境に則した事業活動を推進するとともに、「優秀な製品」「確実な納品」「適正な価格」の造り込みを進め、増収増益となった。
●野崎印刷紙業
〔第1四半期〕
売上高 3,753 （△5.9％）
営業益 23 （△73.4％）
経常益 26 （△70.5％）
当期益 △5 〈46〉
〔2018年3月期予想〕
売上高 15,600 （△3.3％）
営業益 270 （△15.8％）
経常益 260 （△18.0％）
当期益 120 （△15.8％）
市場縮小に加え受注競争の激化による販売価格の低下などから収益は低調に推移。部門別の売上高は、美術印刷物の競争激化で受注が停滞したことや価格低下により商業印刷は前年同期比△20.9％。包装資材および紙器、紙工品は、軟包装や水性フレキソは堅調だったものの紙器が競争激化で受注が減少し、同△7.0％。情報機器およびサプライ品は、タグ・ラベルが好調で情報機器類も増加したため同＋4.0％。
●ハビックス
〔第1四半期〕
売上高 3,249 （＋3.1％）
営業益 341 （＋3.1％）
経常益 343 （＋4.1％）
当期益 281 （＋24.2％）
〔2018年3月期予想〕
売上高 13,435 （＋7.0％）
営業益 1,191 （△17.2％）
経常益 1,172 （△19.5％）
当期益 819 （△21.5％）
○不織布関連…売上高は前年同期比△3.6％、セグメント利益は同＋12.1％。パルプ不織布原反は、収益性向上のため一部のおしぼり向け製品の販売を減らしたことなどにより減収減益。パルプ不織布加工品は増収増益。化合繊不織布は一部製品の販売を停止したため減収となったが、生産効率改善により増益。
○紙関連…売上高は前年同期比＋14.2％、セグメント利益は同＋6.3％。衛生用紙は、紙おむつ向け製品などの衛生材料向け製品が堅調に推移したことや、前年度に増設した海津工場の生産設備が順調に稼働したことなどにより増収増益。
●中央紙器工業
〔第1四半期〕
売上高 2,965 （＋7.8％）
営業益 227 （△1.7％）
経常益 242 （△2.7％）
当期益 156 （△4.3％）
〔2018年3月期予想〕
売上高 12,250 （＋4.8％）
営業益 950 （＋1.5％）
経常益 1,000 （＋8.0％）
当期益 620 （＋10.6％）
国内では主要取引先の自動車関連を中心に売上が増加、また、中国でも新規顧客獲得および昨年末からの原紙価格急騰へ対応を続けたことにより増収となったものの、利益は減益。
セグメント別の業績は、日本は売上高が前年同期比＋3.8％、セグメント利益が同△3.3％、中国は売上高が同＋32.3％、セグメント損益は損失計上となった（△2,400万円）。
＝紙パの第2四半期業績＝
3月期決算の企業に続き、12月期決算の紙加工3社の第2四半期（2017年1～6月）決算を紹介する。
以下、数値は連結ベース、単位100万円、（ ）内は対前年同期増減率、〈 〉内は前年同期の実績値。
●コクヨ
〔第2四半期〕
売上高 165,818 （＋0.2％）
営業益 12,830 （＋4.4％）
経常益 13,600 （＋18.7％）
当期益 10,983 （＋32.7％）
〔2017年12月期予想〕
売上高 312,800 （＋1.7％）
営業益 16,800 （＋8.8％）
経常益 18,000 （＋14.7％）
当期益 13,900 （＋14.1％）
売上高は、通販事業のカウネットの増収などにより増収となった。また、商品ミックスの改善、コストダウン、円高効果などにより、売上総利益率は0.9ポイント向上して36.0％となった。経常益は為替差損の縮小により、また当期益は繰延税金資産の回収可能性の見直しなどにより、増益幅が大きくなっている。
セグメント別の業績（前年同期比）は、ステーショナリー関連が売上高△1.1％、営業利益＋6.9％、ファニチャー関連が売上高△0.0％、営業利益＋3.5％、通販・小売関連が売上高＋3.7％、営業利益＋13.5％。
通期予想については、2Qの業績と今後の見通しを踏まえ、前回予想を修正した。修正額（単位100万円）は売上高△3,200、営業益＋800、経常益＋1,700、当期益＋1,400。
●ザ・パック
〔第2四半期〕
売上高 41,729 （＋1.0％）
営業益 3,053 （＋20.9％）
経常益 3,217 （＋18.0％）
当期益 2,107 （＋26.5％）
〔2017年12月期予想〕
売上高 91,000 （＋2.0％）
営業益 6,700 （＋3.3％）
経常益 7,000 （＋2.6％）
当期益 4,700 （＋3.5％）
○紙加工品…売上高は前年同期比＋3.1％、営業利益は同＋17.5％。主力の紙袋は、国内販売は前年並みだったが、中国子会社の販売が好調に推移し売上高は微増。紙器も食品用パッケージが堅調に推移したほか、積極的な販売拡大に注力し増収。段ボールも、メーカー向けや通販会社への販売が好調で増収となった。印刷は減収。
○化成品…国内専門店向けが低調だったが、紙おむつ用製品が好調に推移し、売上高は前年同期比＋0.7％、営業利益は同＋32.0％。
●ダイナパック
〔第2四半期〕
売上高 23,841 （＋10.1％）
営業益 540 （＋54.8％）
経常益 766 （＋30.8％）
当期益 1,070 （＋157.4％）
〔2017年12月期予想〕
売上高 49,700 （＋6.7％）
営業益 1,060 （＋4.2％）
経常益 1,370 （△4.3％）
当期益 1,920 （＋67.6％）
国内の段ボール販売量は堅調に推移、特に衛生用品などが前年を大きく上回ったことなどにより、全体として前年同期比＋6.0％。収益的にも昨年を上回る結果となった。海外は、ベトナム市場での設備増強が完了し本格稼働したほか、中国・蘇州では生産性向上と販売回復により、増収増益に大きく寄与。セグメント別の業績は、包装材関連は売上高が前年同期比＋10.6％、セグメント利益が同＋66.7％、不動産賃貸は売上高が同＋1.3％、セグメント利益が同＋2.2％。
通期予想は、2月公表の前回予想を修正した。修正額（単位100万円）は、売上高が引き続き堅調を見込んで＋1,700、しかし営業益は3Q以降の原燃料価格や運送コストの上昇も想定されるため当初予想を据え置き、経常益は2Qまでの営業外収益の増加を反映し＋160、当期益は3Qに投資有価証券売却益の計上を見込んで＋1,030。
株式会社 紙業タイムス社 「Future９/２５号」より
