日本製紙連合会(製紙連)は去る10月16~24日、経済産業省からの受託事業としてインドネシアから紙リサイクル事業に関わる行政担当者、業界団体トップ、企業の関係者ら19名を、東京・足立区の海外産業人材育成協会(AOTS)東京研修センターに招き、「インドネシア紙リサイクルシステム研修コース」を開催した。初日の16日には開講式が行われ、経産省、AOTS、製紙連の代表が気候の異なるインドネシアからの参加者を「風邪を引かないように」と気遣いつつ励ました。
この事業は2009年から経産省が国際協力事業の中で実施している「アジア地区の古紙リサイクル向上に向けた取組みへの支援事業」の一環。これまで09~11年度は中国、12~14年度はタイ・ベトナム・マレーシアの3ヵ国、そして15年度からはインドネシアとフィリピンの2ヵ国を対象に行っている。
15~16年度は日本からインドネシアとフィリピンに古紙リサイクルに携わる専門家を派遣して、両国の製紙・古紙などの業界関係者また行政担当者を対象に、日本の古紙リサイクルの現状を講義する研修会を行った。3回目の17年度は、両国から担当者を日本に招いての研修会となった。
研修コースでは、製紙連による日本の製紙産業の現状に関する講義、環境省と経産省による国の法制度の講義、関連企業による古紙調達と利用の講義、段ボール古紙の現状と課題についての講義、古紙工場・段ボール工場の見学、足立区による行政回収の見学と講義、民間回収に関する講義などを実施した。そして日本側実務担当者とのディスカッションを経て、20日午後には成果発表会と修了式を執り行っている。
このあと一部参加者は帰国したが、残りの参加者は九州へ移動し、熊本県内と佐賀県内で古紙リサイクル企業の工場を見学。最終日の24日に研修成果発表会を行い、研修コースを終了した。
なお、フィリピンを対象とする研修は来年2月に開講する予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/6号」より