王子ホールディングスは、世界で唯一、3~4nm(ナノメートル)の超微細繊維CNFを用いたCNF連続透明シートを開発し、すでに商品名『アウロ・ヴェール』『アウロ・ヴェール3D』としてサンプルワークを進めているが、このほど従来品の弱点をカバーする、耐水性に優れたCNF連続透明シート『アウロ・ヴェールWP』の開発に成功した。11月からサンプル提供を開始する。
CNFは植物繊維であるため、CNFシートには耐水性で劣るという欠点があったが、『アウロ・ヴェールWP』は、同社CNF透明シートの特長である「高い透明性」「フレキシブル性」「低熱膨張性」「優れた成形加工性」「ガスバリア性」に加え、「耐水性」という新たな特長を備えている。これにより、CNFシートでは難しかった高湿環境下での使用が可能となり、新たな用途への展開が期待される。
同社では、2017年度後半にCNF透明シートの実証設備導入を予定しており、「開発品のサンプル配布を開始し、さらに幅広い分野での事業化を加速させるとともに、新事業の創出を目ざす」としている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/13号」より