＝紙パの第3四半期業績④＝

　前号に続き、紙パ関連各社の第3四半期（2017年4～12月）決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年同期増減率。

【紙流通】

●国際紙パルプ商事

〔第3四半期〕

　売上高 283,403 （＋5.1％）

　営業益 1,841 （＋140.5％）

　経常益 2,403 （＋192.1％）

　当期益 1,685 （＋87.0％）

○国内拠点紙パルプ等卸売事業…売上高は前年同期比＋1.0％、営業利益は同＋24.1％。紙分野は、書籍・雑誌用途や、広告・チラシ用途の印刷用紙が減少し販売量・金額ともに前年同期割れ。板紙分野は、エンドユーザー向けが好調に推移したものの、食品容器向け白板紙の販売量が減少し、販売量・金額ともにほぼ横ばい。製紙原料分野は、古紙は販売価格の上昇により売上げが増加し、パルプは輸入品を中心に好調に推移。

○海外拠点紙パルプ等卸売事業…売上高は前年同期比＋30.8％、営業損益は△3,000万円の損失計上。米国では段原紙輸出は伸長したが、塗工紙・PPC・特殊紙などが振るわず、売上げは全体として低調。東南アジアは成長鈍化に加えパルプの不振が影響し伸び悩んだ。東アジアは香港、中国ともに販売が拡大。

○不動産賃貸事業…売上高は前年同期比△20.1％、営業利益は同△23.7％。

●平和紙業

〔第3四半期〕

　売上高 14,040 （△2.5％）

　営業益 115 （△18.5％）

　経常益    192 （△3.0％）

　当期益    125 （＋1.7％）

〔通期予想〕

　売上高 20,078 （＋2.6％）

　営業益   228 （＋14.5％）

　経常益   295 （＋10.9％）

　当期益   189 （＋9.7％）

　品目別売上高は、技術紙が微増となったほかはすべて前年同期の実績を下回った。

○ファンシーペーパー…書籍向けが若干回復、また東アジア向け輸出も好調に推移したが、パッケージ用途や小口商業印刷用途が低調で、売上高は前年同期比△0.9％。

○ファインボード…パッケージ需要の伸びに一服感があり、各種販促物や音楽関連商品の動きも低調で、売上高は前年同期比△7.1％。

○高級印刷紙…書籍用途や封筒、名刺などの紙製品が堅調だったが、高級パンフレット、カレンダー、冊子など商業印刷物の販売量が伸び悩み、売上高は前年同期比△0.7％。

○ベーシックペーパー…書籍向けや医療品・化粧品パッケージ用途は堅調だったが、紙製品や商業印刷物用途、海外向け販売量が減少し、売上高は前年同期比△2.0％。

○技術紙…耐水撥水性機能紙や各種製造用原紙は低調だったものの、各種工業品製造用工程紙や合成紙の販売量が増加し、売上高は前年同期比＋0.1％。

○その他…売上高は前年同期比△17.5％。

●共同紙販ホールディングス

〔第3四半期〕

　売上高 11,476 （△2.3％）

　営業益   28 （＋45.1％）

　経常益   51 （＋23.5％）

　当期益   43 （＋58.5％）

〔通期予想〕

　売上高 16,700 （＋4.9％）

　営業益    85 （＋10.6％）

　経常益   100 （＋1.2％）

　当期益    90 （＋4.6％）

　適正価格販売を主眼として積極的な販売活動を展開した結果、販売量は前年並みに推移したが、売上高は減少した。しかし利益面は、売上総利益の増加および物流子会社の外部需要取り込みにより、営業・経常・当期の各段階で前年同期を大きく上回った。

●セ　キ

〔第3四半期〕

　売上高 8,571 （＋0.8％）

　営業益   136 （△16.0％）

　経常益 288 （＋3.7％）

　当期益   178 （△20.5％）

〔通期予想〕

　売上高 11,900 （＋3.4％）

　営業益   200 （△36.0％）

　経常益   350 （△25.8％）

　当期益   220 （△0.2％）

　昨年10月から稼働している水性フレキソ印刷加工事業にかかる費用の発生などにより、営業利益は減益となったが、経常利益は有価証券の利息収入が増加し増益、当期純利益は投資有価証券売却益が前年同期に比べ減少したため減益。

○印刷関連事業…売上高は前年同期比＋1.6％となったが、営業利益は水性フレキソ印刷加工事業にかかる費用の発生や設備保全にかかる費用が増加し、同△16.2％。

○洋紙・板紙販売関連事業…市況悪化や競争激化により、売上高は前年同期比△14.0％となったが、営業利益は前年同期の赤字から黒字転換した（89万円）。

○出版・広告代理関連事業…売上高は前年同期比△4.5％、営業損益は損失計上（△3,500万円）。

○カタログ販売関連事業…売上高は前年同期比＋6.5％、営業利益は同＋20.4％。

　通期予想は、5月に公表した前回予想から利益を上方修正した。修正幅（単位100万円）は、営業利益＋44、経常利益＋69、当期純利益＋50。印刷関連事業の堅調や生産性向上により、営業利益が前回予想を上回る見込み。また、貸倒引当金戻入益の発生や有価証券の利息収入が予想を上回っていることなどにより、経常利益、当期純利益も上方修正した。

 

＝紙パの2017年12月期＝

　3月決算の企業に続き、12月決算の紙加工企業の2017年12月期業績（17年1～12月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年度増減率。

●コクヨ

〔2017年12月期〕

　売上高 315,622 （＋2.6％）

　営業益 17,591 （＋13.9％）

　経常益 19,130 （＋21.9％）

　当期益 15,000 （＋23.1％）

〔2018年12月期予想〕

　売上高 318,000 （＋0.8％）

　営業益 18,000 （＋2.3％）

　経常益 18,100 （△5.4％）

　当期益 13,800 （△8.0％）

　売上高は、通販事業のカウネットや国内でのオフィス家具販売の伸長により増収。売上総利益は、増収のほか、コストダウンの推進、商品ミックスの改善などによる売上総利益率の向上に伴い、前年比＋4.4％。これにより利益は、全段階で増益となった。また当期利益の増益には、繰延税金資産の回収可能性の見直しによる法人税の減少なども寄与。

○ステーショナリー関連事業…定番品の減退や競争激化から国内事業は減収となったが、海外事業の堅調により売上高は前年比＋0.8％。営業利益は、国内・海外とも増益となり同＋11.5％。

○ファニチャー関連事業…海外事業が減収となったものの、国内のオフィス家具販売が好調に推移し、売上高は前年比＋3.0％。営業利益は同＋13.9％。

○通販・小売関連事業…カウネット、アクタスともに増収となり、売上高は前年比＋5.0％、営業利益は同＋17.4％。

●ザ・パック

〔2017年12月期〕

　売上高 90,313 （＋1.3％）

　営業益 7,273 （＋12.2％）

　経常益 7,589 （＋11.2％）

　当期益 5,209 （＋14.7％）

〔2018年12月期予想〕

　売上高 94,000 （＋4.1％）

　営業益 7,400 （＋1.7％）

　経常益 7,700 （＋1.5％）

　当期益 5,400 （＋3.6％）

○紙加工品事業…売上高は前年比＋2.9％、営業利益は同＋12.8％。うち、主力の紙袋は、ザ・パック本体を含め、西日本印刷工業と中国子会社が堅調で売上高は同＋1.2％。紙器も食品用パッケージが堅調だったほか、eコマースの販売拡大も進め、売上高は同＋6.9％。段ボールの売上高も、メーカー向けやeコマースが好調で同＋3.6％。印刷のみ減収だった（同△3.6％）。

○化成品事業…国内専門店向けが低調だったが、紙おむつ用製品が好調で売上高は前年比＋1.3％、営業利益は同＋13.6％。

○その他…売上高は前年比△4.3％、営業利益は同△7.9％。

●ダイナパック

〔2017年12月期〕

　売上高 49,752 （＋6.8％）

　営業益 304 （△70.2％）

　経常益 654 （△54.4％）

　当期益 1,244 （＋8.3％）

〔2018年12月期予想〕

　売上高 52,500 （＋5.5％）

　営業益 1,000 （＋228.9％）

　経常益 1,270 （＋94.0％）

　当期益 950 （△23.7％）

　国内の段ボール販売量は、食料品および青果物の主力分野が堅調に推移し、また衛生用品なども前年を大きく上回った結果、前年比＋4.0％となった。一方、採算面は燃料費などの上昇に加え8月以降に段ボール原紙価格が大幅に値上がりし、収益を圧迫。このため、製品価格改定に取り組みつつ、歩留りや生産性向上など工場運営の合理化や設備メンテナンスの強化に努めた。しかし、先行した段原紙値上がりの影響が大きく、また海外事業についても、中国やベトナムで段原紙価格が上昇し、業績への負担が発生した。

　セグメント別の業績は、包装材関連事業は売上高が前年比＋8.2％、セグメント利益が同△54.3％、不動産賃貸事業は売上高が同＋0.5％、セグメント利益が同＋1.2％。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future３/１２号」より