頭文字をとって「CFP制度」と略す場合もある。直訳すると「炭素の足跡」となるが、この制度は商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体について、温室効果ガス排出量をCO2の量に換算して算定し、一般にもわかりやすくするためにマークで表示するもの。例えば再生紙100%使用のトイレットペーパーなら、古紙や薬品などの原料調達、水やエネルギーなども含む生産、ポリ包装・段ボール包装などの梱包、トラック・列車などによる輸送─といった各工程について、それぞれCO2排出量を算出し、すべてを合計した総排出量を表示する。
海外では欧州、特に英国が最も進んでおり、算定・表示ガイドラインを08年10月に策定するとともに、民間企業20社でパイロットプロジェクトを手がけている。わが国は京都議定書の第一約束期間に入ったものの、温室効果ガス削減目標の実現にはまだ遠く、国をあげて削減作業を急がなければならない状況にある。カーボンフットプリント制度も、その一環として捉えられる。09年3月には経済産業省がCO2排出量の算定や表示方法といった共通のルールを策定、09年度からは制度の市場導入に向けた試行事業を開始している。
こうした動きに対応して日本製紙連合会では、紙・板紙のCFP算定基準を策定し主要品種の業界標準値を算定する作業を進めている。またCO2負荷を開示するため、関連業界と共同で取り組む協議会を設置した。協議会への参加団体は日本角底製袋工業組合、機械すき和紙連合会、日本印刷産業連合会、全国クラフト紙袋工業組合、全国段ボール工業組合連合会、日本紙製品工業組合など。
出典:「知っておきたい紙パの実際2009」株式会社紙業タイムス社